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消防士のマイナスイメージ3K(きつい・汚い・危険)は事実なのか?

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こんにちは、TEAM WEBRIDです。
今回のテーマは、消防士のマイナスイメージである3K(きつい・汚い・危険)について。
仕事を選ぶ上で、嫌がられる条件として有名な3Kですが、消防士の仕事も3Kに該当していると判断されがちです。
実際はどうなのでしょうか?
今回も現役消防士や消防職員OBへの取材をもとに説明します。
この記事を読むことで、消防士の仕事がどんなときにきつく、汚く、危険なのか理解することができます。

それではレポートします。

消防士のマイナスイメージ3K「きつい」ってどうなの?

消防士のマイナスイメージ3Kの1つめ、「きつい」について。
きついかきつくないか、どっちか選べと言われれば確かにきつい。
ただ、正確に言えば、「きつい時がたまにある」というのが正解。
具体的なきつさで大きな項目として挙がるのは、

  • 現場活動
  • 訓練

あたりでしょうか。
今回は現場活動に注目して詳しく説明します。

現場活動は体力的にきつい。
当然です。
消防士の本業です。
火災であれば、分厚い防火服を着て、重い装備を身にまとい、長時間動き続けるわけです。
救急現場も同じくきつい。
エレベーターのないマンションでは、布タンカに載せた患者を3人がかりで階段を何段も歩いて降りていかねばなりません。
救助現場もそう。
重量のある救助資機材を抱え、腕の筋肉がつりそうになりながら、握力を失うかの如く要救助者救出のため作業を続けることもあります。

さらにきついのは、現場活動は単発で終わるとは限らないということ。
長い現場活動が終わってようやく帰署、片づけを済ませて次の出動準備を整え、

「やっと休憩だ。」

と安心したところでの火災指令。
地獄です。
もちろん、長時間に及ぶ現場活動では、交代要員が増員されたり、休憩をローテーションしたり、ある程度の配慮はあります。
しかし、火災の発生に配慮はありません。
ルールなく火災は発生します。

と、ここまで散々きつい話をしましたが、こういう事態って、実はほんとにたまにしか起こらない事態なのです。
というのも、火災の発生件数というのは、年々減少傾向にあるからです。

東京、大阪、横浜、名古屋、札幌、神戸などの大都市圏を除くと、ほとんどの消防本部が、年間火災発生件数が365件以下です。
つまり、多く見積もって年間365件の火災が発生していると仮定すると、1日平均1件しか火災が発生していません。

「1日に1回も火災出動するなんて大変じゃない?」

こう聞くと多く聞こえるかもしれませんが、1日に1件火災が起きていようと、その火災全てに1人の消防士が出動するわけではありません。
なぜなら、消防士は2交代制か3交代制の交代勤務だから。

交代勤務の2交代制と3交代制の違いについては、消防士ドットコム内のこちらの記事で詳しく説明しています。

ましてや、2交代制であっても、2日に1回仕事に行くわけではありません。
サラリーマンで言うところの土曜日や日曜日替わりの週休日が入ってきますので、2交代制であっても消防署へ出勤するのはひと月に10回程度です。
つまり、1日に1件火災が起きるような大都会であっても、一人の消防士が勤務中に火災が発生するのは、年間120回程度です。
さらに言うと、この数字は1本部で1件です。
政令市ともなると、1本部で10署ぐらい抱えています。
1つの火災で対応するのは3~4署程度です。

つまり何が言いたいかというと、ほとんど火災に行かないということです。

しかも、1年に365回も火災が起きるのなんて政令市ぐらい。
中核市レベルになると年間の火災発生件数は100件程度です。
つまり、政令市でさえなかなか火災にあたらないのに、中核市になると、もっと火災に行く頻度が下がります。

ただ1点、逆に中核市の方が火災に行く可能性が上がる要素を挙げることができます。

それは、中核市以下の規模の消防本部だと1本部の中に多くて4~5署、少ないと1~2署しか消防署がありません。
したがって、火災が起きる頻度は少ないものの、いざ火災が起きれば、ほぼ確実にどの消防署に勤めていたとしても火災出動するということです。

だとしても、結局は政令市同様、火災に出動する頻度は非常に少ないのが事実です。

このように、確かに現場活動はきついものの、火災自体はかなり少ない頻度でしか起こらないと断定できます。

これが、消防士の仕事はきついのかと聞かれたら確かにきついものの、正確に言えば、「きつい時がたまにある」というのが正解だという理由です。

消防士のマイナスイメージ3K(汚い)ってどうなの?

消防士のマイナスイメージ3Kの2つ目「汚い」について。
消防士の仕事は汚いのか。

確かに汚い。
火災現場は、通常燃やさないような物が燃えており有毒ガスや粉じんなどであふれかえっています。
また、救急現場では、精神異常者が部屋中に汚物をまき散らしたような部屋でも、通報さえあれば足を踏み入れなければなりません。

ただ、先ほど「きつい」の項目でも説明したとおり、火災については、あまりにも低い頻度でしか発生しません。
そのため、1年間単位でみても消防隊が「汚い」条件下にさらされるのは数える程度です。

また、救急隊については、現場の状況に合わせ、それなりの装備を整えます。
なぜなら、隊員の感染防止対策は最優先項目だから。
汚物まみれの部屋であれば、汚物がついても大丈夫な対策をしたうえで進入するわけです。

このように「汚い」という状況は確かにありますが、頻度が低かったり、それなりの対策ができたりするわけです。

「汚い」のかどうかを判断するには、相対的な相手がないと説明が難しいでしょう。
オフィスビルで働くサラリーマンに比べれば、確かに消防士の仕事は汚い。
逆に、解体現場で働く現場作業に比べるとどうでしょうか。
粉じんまみれになる頻度は、圧倒的に解体業のほうが多いはず。

救急現場だって、似たようなことが考えられます。
救急件数は増え続けており、いまだに適正利用が進みません。
つまり、救急車をタクシー代わりに利用する不適正利用があまりにも多いという状況です。
タクシー代わりに利用されるということは、救急隊目線で言うと、めちゃくちゃ楽な救急現場だということです。
だってタクシー運転手のみで務まる内容を、救急隊3人で行うわけなので当然です。

これらのことから何が言いたいかというと、「汚い」現場についても、常に汚い仕事ばかりしているわけではなく、「汚い時がたまにある」というのが的確な回答と言えます。

消防士のマイナスイメージ3K(危険)ってどうなの?

消防士のマイナスイメージ3Kの3つ目「危険」について。

消防士の仕事は危険ですか?
確かに危険です。
災害現場では何が起こるかわかりません。
救急現場でも感染リスクは常につきまといます。
高所での活動もあります。
転落して大けが、もしかしたら打ちどころが悪く、死んでしまうかもしれません。

しかし、ここまでこの記事を読んだ人なら想像がつくと思いますが、「危険」な状況というのは、限定的なものです。
世の中で危険だと一般的に言われている職種に比べたら、危険な状況なんてほんの一瞬です。

最後に、まとめの項目で神髄を語りますが、消防士の仕事が危険かどうか聞かれたら、危険だと回答するのが正解ですが、やはり厳密に言えば、「たまに危険な時がある」というのが適切です。

消防士のマイナスイメージ3K(きつい・汚い・危険)は事実なのか?のまとめ

消防士のマイナスイメージである3K(きつい・汚い・危険)についてレポートしました。
まとめると次のとおり。

  • きついのはきついものの、正確には「たまにきつい時がある」
  • 汚いのは汚いものの、正確には「たまに汚い時がある」
  • 危険なのは危険なものの、正確には「たまに危険な時がある」

上記の内容は、あくまでも現場活動を行う消防隊や救急隊、救助隊に限ってのことです。
消防士には、通常時は現場出動しない、毎日(日勤)勤務の業務もあります。

消防士の勤務体制については、 消防士ドットコム内のこちらの記事で詳しく紹介しています。

日勤勤務ともなれば、普通のサラリーマン同様の事務仕事になるので、「きつい・汚い・危険」の3Kとは無縁の行う内容です。

このような要因も加味すれば、消防士の業務は世間一般の3Kと呼ばれる職種の中では、ダントツで「きつくない・汚くない・危険ではない」職業だと解釈できるのではないでしょうか。

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