消防士に合格しました!
消防士になったらすぐ消防学校へ入校するみたいだけど、どんなことを勉強するの?
こんにちは、TEAM WEBRIDです。この記事では、消防学校で行われる「初任科」のカリキュラムについて説明します。消防士になるための基礎的な教育訓練とはどんなことをするのでしょうか?
今回の記事も、現役消防士や消防士OBへの取材をもとにレポートします。この記事を読むことで、消防学校で過ごす6か月間に学ぶことがわかり、予習がしやすくなりライバルに一歩リードできるかもしれません。
- 都道府県によって初任科のカリキュラムの内容は違う?
- 初任科で学ぶ初任教育の到達目標は?
- 消防学校の初任科教育での教育内容
- 消防学校 初任科教育の教育内容:倫理(5時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:情操(4時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:法制通論(15時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:消防法(12時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:消防制度(8時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:服務と勤務(28時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:理化学(15時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:予防広報(20時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:危険物(8時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:消防用設備(12時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:査察(24時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:建築(10時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:安全管理(12時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:特殊災害と保安(10時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:火災防ぎょ(30時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:火災調査(15時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:防災(22時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:救急(50時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:消防機械・ポンプ(10時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:訓練礼式(50時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:消防活動訓練(80時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:救助訓練(40時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:機器取扱訓練(50時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:消防活動応用訓練(80時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:体育(55時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:実務研修(35時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:選択研修(50時間)
- 消防学校 初任科教育の教育内容:行事その他(50時間)
- 【消防学校の初任科教育】6か月間のカリキュラムが知りたい【解決】のまとめ
都道府県によって初任科のカリキュラムの内容は違う?
都道府県の消防学校によって、それぞれ教育内容に違いがあると、消防士としての到達レベルに差が出ることになり、教育水準の確保が難しくなります。そこで、
消防組織法(昭和22年法律第226号)
第26条第4項(現行=第51条第4項)
において、消防学校の教育訓練の“基準”を定めて、教育内容や到達目標の統一をはかっています。
初任科で学ぶ初任教育の到達目標は?
初任科を卒業するまでに身につけることは、大きく分けると次の4項目です。
消防学校の初任科を卒業し、消防署での勤務が始まると、火災指令が入れば火災出動を行います。また、初任科を卒業したばかりだとしても、一般市民から見れば普通の消防士として対応を求められます。“敬礼”や“気をつけ”の姿勢をとるようなキビキビした消防士独特な動作も、初任科で身につけます。消防署で消防士として勤務するためには、最低限必要なことをすべて学ぶための6か月です。
消防学校の初任科教育での教育内容
これから、初任教育の中身について、
を説明していきます。中学や高校で習ったようなものから、初めて聞くような言葉もあります。気になった言葉をインターネットで調べてみるだけでも、初任科中の学習効率が上がることは間違いありません。前半は、座学をメインとした教科、後半は訓練をメインとした教科です。それでは解説を始めます。
消防学校 初任科教育の教育内容:倫理(5時間)
現代社会と消防
消防の本質と消防職員の任務
地域社会と消防
自治体消防の沿革と基本
消防職員の使命
消防の社会的使命と責任
公務員倫理
消防学校 初任科教育の教育内容:情操(4時間)
講話
社会講話
業務講話
消防学校 初任科教育の教育内容:法制通論(15時間)
消防行政と法
法治主義の原則
法の統一的運用と解釈
法の分類
法の存在形式
成分法の形式的分類と実質的分類
法の効力と適用
法の効力範囲
法の適用と解釈
法律関係
権利の種類と行使
義務の種類と履行
行政法 行政法の体系
行政行為
事前手続(行政手続法の意義と概要)
行政強制と行政罰
国家補償制度と行政救済
法の体系 消防関係法令の体系
効果測定
消防学校 初任科教育の教育内容:消防法(12時間)
消防法の目的
目的と用語の定義
主要規定の概要
火災の予防に関する規定
危険物に関する規定
消防の設備等に関する規定
火災の警戒に関する規定
消火の活動に関する規定
火災の調査に関する規定
救急業務に関する規定
雑則及び罰則
効果測定
消防学校 初任科教育の教育内容:消防制度(8時間)
地方自治制度
地方自治の意義と法体系
地方公共団体の種類と事務
自治立法権と条例・規則
自治体消防制度
自治体消防制度の沿革
消防の任務と法体系
消防の組織
国、都道府県及び市町村の消防組織
市町村の消防責任
消防に関する国、都道府県及び市町村の関係
消防財政の仕組み
消防機関と他の機関との関係
効果測定
消防学校 初任科教育の教育内容:服務と勤務(28時間)
地方公務員制度
地方公務員制度の基本理念
地方公務員の種類と任用・離職
地方公務員の義務と責任
地方公務員の権利
消防実務
消防の組織
勤務形態と業務内容
消防職員の勤務条件
給与制度、勤務時間、休日及び休暇等
公務災害補償制度
安全衛生
消防職員委員会制度
文書実務
文書の機能・種類・決裁・管理等
公文書作成要領
OA操作
情報公開と個人情報保護
行政情報に対する基本的考え方
情報公開制度
個人情報保護制度
接遇 接遇の基礎知識
電話や来訪者への応対
事故防止
交通安全、社会生活上の問題に係る対応
人権啓発
差別の実態と歴史
差別解消運動の取り組み
最近の人権問題
消防英語
消防英語の基礎
効果測定
消防学校 初任科教育の教育内容:理化学(15時間)
物理
力の性質と運動
固体の性質
液体と気体の性質
物体の熱的性質
物質の構造
化学の一般法則
化学変化
化学式と反応熱
電気の基礎知識
送配電
屋内配線
燃焼と消火
燃焼の基礎知識
建物火災の燃焼現象
消火理論と消火剤
効果測定
消防学校 初任科教育の教育内容:予防広報(20時間)
防火管理の意義
防火管理の重要性
防火管理制度
防火管理制度の概要
防火管理対象物と管理権原者
防火管理者の資格と責務及び権限
消防計画
共同防火管理制度
共同防火管理制度の概要
共同防火管理対象物
共同防火管理の協議事項
消防広報
消防広報の概念
広報活動と広聴活動
災害現場広報
消防広報と人権
自主防災
自主防災組織の意義と活動
防災指導実施要領
効果測定
消防学校 初任科教育の教育内容:危険物(8時間)
消防法上の危険物
危険物の範囲
危険物の特性
各類危険物の概要
指定数量
危険物施設の規制
危険物規制の概要
設置・変更の許可
保守管理と保安制度
指定可燃物等
指定可燃物
消防活動阻害物質
少量危険物
効果測定
消防学校 初任科教育の教育内容:消防用設備(12時間)
消防用設備等の規制概要
消防用設備等の種類
設置を要する防火対象物
設置単位の原則
主要な消防用設備等の基準概要
消火設備
警報設備
避難設備
消防用水
消火活動上必要な施設
消防用設備等の着工届及び検査等
消防用機械器具等の検定制度
消防設備士
着工届
設置の届出及び検査
定期点検報告制度
効果測定
消防学校 初任科教育の教育内容:査察(24時間)
総則
査察の概念と法的根拠
査察執行上の留意事項
査察要領
業態別防火対象物の査察上の特異性
政令対象物の基本的な査察着眼点
危険物施設の基本的な査察着眼点
火気規制
立入検査マニュアル
違反処理
査察結果の通知と改善指導
違反処理の概要
違反処理マニュアル
定期点検報告制度
制度の概要
査察実習
模擬査察
効果測定
消防学校 初任科教育の教育内容:建築(10時間)
総則
建築物の定義
建築構造
建築構造の分類
一般構造
建築法令
建築基準法の体系と構成
法令用語
確認申請と消防同意
建築規制
構造制限と防火区画
防炎規制
避難施設
消防活動上の規制
排煙設備
非常用照明装置
非常用進入口
非常用エレベータ
中央管理室
防災センター
建築図書
建築図書の見方
効果測定
消防学校 初任科教育の教育内容:安全管理(12時間)
安全管理の概要
安全管理の意義
安全性欠如の要因
安全管理対策
安全教育
業務活動別の安全管理
警防活動
救助活動
救急活動
警防訓練
予防業務
日常業務
精神衛生
メンタルヘルス
惨事ストレス
効果測定
消防学校 初任科教育の教育内容:特殊災害と保安(10時間)
特殊災害の概説
特殊災害の意義
特殊災害に対する消防活動のあり方
特殊災害に対する装備・資器材
特殊災害の特性
特殊災害の基礎知識と活動要領
危険物・化学災害
ガス(都市ガス、LPガス)災害
電気災害
放射性物質災害
毒劇物災害
火薬類災害
テロ災害
特殊な施設等(タンクローリー、トンネル等)
効果測定
消防学校 初任科教育の教育内容:火災防ぎょ(30時間)
火災 火災の意義・用語と分類
燃焼と煙及び延焼
火災防ぎょの概要
消火の原則
消防力の構成
火災防ぎょ行動の基本と消防戦術
警防計画
装備の活用
火災防ぎょ行動
出動準備
火災の覚知と出動
現場到着と水利部署
状況把握と情報収集
ホース延長、筒先配備及び注水要領
破壊要領と内部進入等
人命救助
水損防止、飛火警戒、残火処理等
建物火災防ぎょ
建物構造別の火災
建物態様別の火災
地域態様別の火災
異常気象時の火災
建物以外の火災防ぎょ
車両火災
林野火災
船舶火災
航空機火災
その他の火災
効果測定
消防学校 初任科教育の教育内容:火災調査(15時間)
火災原因調査
火災調査の目的、責任及び権限
火災の定義
火災原因調査の項目と手順
火災出動時の調査
現場保存と現場調査の進め方
火災現場における着眼点
火災による死者
主な発火源別鑑識要領
立証のための調査
火災損害調査
火災損害調査の範囲
火災件数と火災種別の考え方
損害の種別・棟数・階数・構造の考え方
焼損程度とり災程度
火災による死傷者
火災損害調査の方法
火災調査書類 各種様式
効果測定
消防学校 初任科教育の教育内容:防災(22時間)
災害対策
災害対策基本法の概要
防災組織と責任
防災計画
気象と災害
気象に関する基礎知識
気象注意報と気象警報
水災(高潮災害、洪水災害)
台風
土砂災害(斜面崩壊、地すべり、土石流)
水災防ぎょ
水防責任
水防時の出動と水防工法
地震対策
地震に関する基礎知識
地震に伴う災害
地震対策の体系
消防機関が実施する震災対策
地震時の活動要領
効果測定
消防学校 初任科教育の教育内容:救急(50時間)
概要
救急業務の沿革、意義及び体制
救急隊員の責務
救急医療体制
人体知識
身体各部の名称
骨格系
循環器系
呼吸器系
消化器系
神経系
応急処置法
観察、気道確保及び心肺蘇生法
止血法
被覆と包帯
副子固定
体位管理
保温
搬送法
傷病別応急処置
救急実務及び関係法令
救急現場での活動要領と注意事項
応急手当普及啓発
応急手当指導要領
効果測定
消防学校 初任科教育の教育内容:消防機械・ポンプ(10時間)
消防用自動車等
緊急自動車の定義と要件
消防用自動車等の分類と用途
消防通信
有線通信施設
外傷(出血、ショック、創傷、頸部・脊椎・四肢外傷)の応急処置
特殊傷病(熱傷、日射病、溺水、気道等の異物)の応急処置
疾病(心発作、意識障害、呼吸困難、腹痛)の応急処置
無線通信施設と取扱い運用
消防ポンプ
遠心ポンプの原理と分類
真空ポンプ
ポンプに生じる諸現象
水力学
圧力の基礎知識
吸水、送水及び放水知識
ポンプ運用
吸水及び送水要領
放水体形
安全管理
効果測定
消防学校 初任科教育の教育内容:訓練礼式(50時間)
訓練礼式の概要
目的、主眼、実施上の注意事項
用語の意義
各個訓練
停止間の動作
行進間の動作
通常点検
通常点検実施要領
敬礼動作
各個の敬礼
部隊の敬礼
辞令等の受領 屋内における受領要領
屋外における受領要領
小隊訓練
隊形編成と整頓
右(左)向き及び後ろ向き
行進
方向変換
隊形変換
申告等
申告・報告の要領
効果測定
消防学校 初任科教育の教育内容:消防活動訓練(80時間)
訓練の概要
訓練の目的と安全管理
ポンプ自動車
車両の概要、乗車及び下車
ホースカーの操作要領
吸管の延長と収納要領
放水訓練
水利部署と吸水要領
ホース延長要領
筒先配備と放水要領
内部進入
撤収要領
消防用設備等の活用
検索及び救出訓練
検索の基本
検索要領
救出及び搬送要領
警戒区域設定
火災警戒区域と消防警戒区域
現場広報訓練
現場広報要領
水防訓練
水防工法
効果測定
消防学校 初任科教育の教育内容:救助訓練(40時間)
概要
救助の意義
救助活動
安全管理
ロープ取扱技術
ロープ取扱いの基礎知識
ロープ及び付属用具の性能・取扱い
ロープの巻き方と携行
結索要領(基本、器具、身体)
懸垂線及びロープブリッジ設定
救助操法
降下操法(座席、身体)
登はん操法(ロープ、フットロック)
渡過操法(セーラー、モンキー、チロリアン)
確保操法
効果測定
消防学校 初任科教育の教育内容:機器取扱訓練(50時間)
消防機器の概要
消防機器の用途と目的
個人用装備
消防器具(吸水器具、放水器具)
はしご(かぎ付き、三連、折りたたみ)
とび口
空気呼吸器
可燃性ガス測定器
投光器一式
エンジンカッター
空気鋸
可搬ウインチ
空気式救助マット
防水シート
その他消防自動車積載資器材
効果測定
消防学校 初任科教育の教育内容:消防活動応用訓練(80時間)
消火活動訓練
情報収集要領
ホース延長要領
筒先配備要領
内部進入要領
注水要領
水損防止要領
現場広報要領
救助活動訓練
かかえ救助要領
応急はしご救助要領
はしご水平救助(二)の要領
濃煙内救助の要領
火災総合訓練(想定訓練)
木造・防火造建物火災
耐火造建物火災
高層建物火災
林野火災
車両火災
その他
救急救助総合訓練(想定訓練)
地震による建物倒壊からの救出
土砂災害による埋没からの救出
交通事故による脱出不能・挟まれ・下敷き
集団救急事故
その他
消防学校 初任科教育の教育内容:体育(55時間)
健康と体力
健康と体力の定義
運動の効果
消防職員の体力づくり
消防職員に求められる体力
体力測定の方法
運動処方の要点
食事と体力づくり
消防職員の体調管理
運動の生理
人の身体と機能
運動を支える機能
トレーニング計画の立て方
トレーニングの原理
トレーニング法の理論
トレーニングの構成
トレーニング要領と実践
トレーニング実践上の留意事項
各種資器材の諸元・性能・取扱
要領・保守管理要領等
準備・整理運動要領と実践
筋力トレーニング要領と実践
持久力トレーニング要領と実践
調整力トレーニング要領と実践
柔軟性トレーニング要領と実践
障害の予防、疲労回復等
スポーツマッサージ
アイシング
テーピング
効果測定
消防学校 初任科教育の教育内容:実務研修(35時間)
消防署勤務実習
当直勤務(2回)
毎日勤務(1回)
消防学校 初任科教育の教育内容:選択研修(50時間)
社会教育
人権問題、時事問題等
資格取得教育
消防設備士乙種第6類等
地域災害教育
コミュニティ問題等
補修教育
基礎教育、実務教育等
その他
消防学校 初任科教育の教育内容:行事その他(50時間)
入校式
卒業式(準備を含む)
実科査閲
健康診断
体力測定
施設見学
その他の行事等
【消防学校の初任科教育】6か月間のカリキュラムが知りたい【解決】のまとめ
初任科の教育時間、合計800時間の内容について説明しました。
と、さまざまな感想を持ったと思います。初任科の成績は、消防人生に10年影響すると言われています。予習できるところから取り組んでおくと、あなたの未来が変わるかもしれません。
今後も、新しい情報が入り次第、レポートを更新していきます。
この記事を読まれた方で、さらに詳しく知りたいことがあれば追跡調査しますので、コメントか問い合わせフォーム、またはTwitterにてご質問ください。
また、消防関係者の方で、うちの本部ではこうなってるよ、それは違うんじゃない?などのご意見をいただける際も、コメントか問い合わせフォーム、またはTwitterにてご連絡いただけると助かります。
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