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【消防士と消防団員】なり方や給料、装備の違いを9項目で徹底解説

消防団

今回の記事では、消防士と消防団員の違いについて、色々な角度からレポートしたいと思います。

似たような名前ですが、どのような違いがあるのでしょうか。

今回の記事も、現役消防士の方や消防職員OBの方々からの調査結果をもとにレポートしたいと思います。

今回の記事を読むことで、消防士と消防団員の違いが明確に区別でき、消防団員の活動内容について理解できるようになります。

消防士と消防団員の違い:そもそも消防団員とは?

消防団は、市町村の非常備の消防機関です。

非常備”という聞きなれない言葉が出ましたので解説します。

表現方法の一つとして、市町村に就職し、公務員として日常から消防士の仕事をしている人たちのことを「常備消防」と言います。

逆に、普段は消防とは別の仕事をしており、有事の際に消防団員として、地域の安全を守っている人たちのことを「非常備消防」と言います。

簡単に言うと、消防士のことを「常備消防」、消防団のことを「非常備消防」と言います。

消防団員は、他に本業を持ちながら、ことが起きた際には非常勤特別職の公務員として、消防士のような活動を行っています。

消防士と違って次のような特色があります。

  • 地域密着型(消防団員は、管轄内に居住又は勤務しています)
  • マンパワー(消防団員数は消防職員数の約5倍の人数がいます)

火災時の初期消火や残火処理、台風時の警戒や救助活動等を行っています。

特に消防本部・消防署が設置されていない市町村にあっては、消防団が消防活動を全面的に担っています。

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消防士と消防団員の違い:なり方の違い

消防士は、自治体が行う採用試験に合格することでなることができます。

消防団員は、採用試験などはありません。

  • 地元の消防団員から勧誘を受ける
  • 地元の消防団員に、消防団に入りたいと申し込む
  • 消防本部に電話して、地元消防団を紹介してもらう

など、複数のパターンがあります。

最終的には、管轄地域の消防本部に入団申込書のような書類を提出し、個人情報の登録や、報酬の振込口座などを登録します。

全国には、常備消防がないエリアもあるので、そのような地域では市町村に申請する流れになります。

消防団員の緊急消防援助隊の出動についてはこちら↓

消防士と消防団員の違い:給料の違い

消防士は、市町村の職員になるので、公務員として、毎月の給料を支給されます。

消防団員は、報酬という名目で、年俸のようなものを支給されています。

階級や役職が上がるにつれ、報酬も金額が高くなっていきます。

役職ごとの報酬を説明します。

団長150,000
副団長100,000
本部長80,000
分団長70,000
副分団長60,000
部長50,000
班長40,000
団員30,000

上記は、年額です。

年2回に分けて支給する消防本部が多いようです。

消防士の給料についてはこちら

消防士と消防団員の違い:仕事の内容の違い

消防士は、消防署に仕事として勤務しているため、火事が起きると、すぐに出動できます。

しかし、消防団員は、普段は自分の就職先や自営業を営む事務所などで仕事をしています。

したがって、火事が起きたら、いったん職場から消防機庫へ向かい、出動します。

そのため、消防士たちより現場到着は遅れます。

到着するころには、消防士たちの放水はすでに始まっています。

そのため、まずは消防現地本部に、分団長などの役職付きの人が到着の報告に行き、その後の活動の指示を受けることになります。

消防士のように、消防団員は空気呼吸器を持っていないため、屋内進入を行うことはありません。

消防士たちの補助的活動が主たるものとなっています。

建物火災において、一軒しか燃えていなかったとしても、消火栓までの距離や、消防車両の部署位置によっては、相当数の消防ホースを撤収しなければなりません。

しかも、元気な状態で行うわけではなく、消火活動を行ったあとの疲れた状態で行います。

そうなると、やはり、マンパワーに助けられる場面は多くなります。

消防団員と消防士が、協力してホース撤収作業を行います。

鎮火後も、消防士たちは早々に引き上げ、資機材を整備し、次の指令がいつ入ってもすぐに出動できるようにする必要があります。

しかし、建物火災というのは再燃の可能性があります。

そんな時に助けてもらうのも消防団員になります。

地元の消防団に、再燃の監視などをお願いすることになります。

このように、消防士たちのかゆいところに手の届く存在、ありがたい存在が消防団員です。

消防士と消防団員の違い:装備の違い

消防団員の一般的スタイルは、

  • 白いヘルメット
  • 消防団法被
  • ゴム長靴

です。

到底、空気呼吸器を背負って、面体を着装して屋内進入できるような装備ではありません。

最近では、消防士に似たようなデザインの活動服を消防団員に支給する本部や、ゴム長靴とは別に、編み上げ安全靴を支給する消防本部も増えてきました。

消防車両はというと、1つの消防団が1台の消防車を持っています。

ただ、消防車両といっても、

  • ポンプ車
  • 積載車に可搬ポンプを積載したタイプの消防車

の2種類の消防車両があります。

消防団員が、救助工作車やはしご車、水槽車、化学車のような消防車を保有することはありません。

消防士を知りたい

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消防士と消防団員の違い:階級の違い

消防士は10個の階級に分かれています。

消防士の階級についてはこちら

消防団は規模によって、違いがあります。

一般的な中核市を例にとってみます。

消防士と違って、昇任試験のようなものはなく、経験年数や実績などを考慮して階級が上がっていきます。

階級は、一般的なところで

  • 団長:消防団の長であり、消防長や市町村長に対しても強い発言権を持つ
  • 副団長:団長の補佐、代理
  • 方面隊長:方面隊の長、エリアマネージャーのような役職
  • 方面副隊長:方面隊長の補佐
  • 本部長:複数の分団を統括する方面隊本部の役員
  • 分団長:各分団の長、大隊長のこと
  • 副分団長:分団長の補佐、または、分団長代理
  • 部長:分団長からの指示を各班長へ伝える、中間管理職、中隊長のこと
  • 班長:1分団に3~4名ほどおり、班員の指揮をする、小隊長のこと
  • 団員:平社員、一般分団員のこと

となっています。

消防士と消防団員の違い:定年は?

消防士の定年は、公務員のため60歳です。

消防団員は、役職ごとで定年に差があります。

  • 団長 副団長    年齢70年
  • 分団長 副分団長  年齢65年
  • 部長 班長 団員  年齢60年

定年年齢についても、条例で定まっているため各消防団によって多少の違いがあります。

消防団員になれなさそうでなれる人

公務員  県議会議員  市議会議員

公務員の人が非常勤の公務員になるのって、普通に聞いたら無理そうですが、なれます。

どうしてなれるかというより、なれない理由が各市町村条例に記載されていないためになれます。

また、議員というと、公務員のように自治体から給料をもらう立場ではあるし、お偉いさんのイメージがあり、消防団とは無縁なイメージですね。

しかし、消防団に入れます。

こちらも、公務員と同じく、なれない理由がないからなれます。

年に1度、消防本部の最大規模の行事の一つに、消防出初式というものがあります。

消防職員に限らず、消防団員も大勢参加します。

また、来賓として、市議会議員や県議会議員も参列します。

この際、消防団に入っている議員は、どちらの立場で参加するかを選べます。

式典の最中、来賓者の紹介のコーナーになると、

県議会議員の〇〇様は、消防団員として参加しておられます!

のような紹介が入ります。

消防士に学びたい

消防団員になれそうでなれない人

消防士

消防士は、消防団員になれません。

仕事中は消防士、休みで家にいる時に火災が起きたら消防団として出動すればいいのでは ?

と、思うかもしれません。

しかし、都合の悪いことがあります。

例えば、この仕組みが容認されてしまうと、消防団に入っている消防士みんなが、休みの日に消防団として火災に行くとします。

火災が大きくなり、第2出動、第3出動と出動規模が大きくなると、消防士たちが足らなくなります。

非番招集といって、休みの消防士たちを呼び集める行為が始まります。

この時、

消防団として出動しているため、消防士として非番招集に行けません !!

という、事態に陥ります。

消防士の仕事は消防士しかできません。

代わりがいません。

困りますよね。

このような事態を防ぐためにも、消防士は、消防団員にはなれません。

各自治体の条例に“消防士は消防団に入れません“と明記されているわけではないですが、各消防本部の判断で、消防団への加入は認めていないようです。

消防団を経験して消防士になるメリット

消防士になる人の中には、消防団員を経験して消防士になる人がいます。

今まで散々、消防士と消防団員の違いを説明してきましたが、消防士と消防団員が制度的につながることがあります。

それは、消防士の昇任試験についてです。

消防士の昇任試験についての詳細はこちら

参考記事のとおり、消防士は、昇任試験に受かることで、階級を上げていきます。

この昇任試験、次の階級への受験資格を得るために、現階級の経験年数が決まっています。

別の言い方をすると、今の階級を最低〇年経験しないと、次の階級への昇任試験を受験できない仕組みです。

この際、なんと、消防団員の経験年数の5割を考慮してくれます。

自治体の条例で決まっているので、5割が通常ですが、中には3割だとか、8割の消防本部もあるかもしれません。

5割の場合で考えます。

たとえば、高校を卒業すると同時に工場へ勤務します。

家も工場も近場なため、高校卒業と同時に消防団へも加入します。

工場勤務と消防団を4年経験し、23歳になる年度から消防士になったとします。

この人が消防士になった消防本部では、高校卒業程度の人は、8年間消防士を経験し、9年目から消防士長になれる制度としています。

この場合、消防団を4年経験しています。

4年の5割は2年。

つまり消防士を8年経験するところが6年の経験でよく7年目から消防士長になることができます。

同期の、高校卒業程度の採用枠の人より、2年早く消防士長になれます。

もちろん、昇任試験に合格すればの話になりますが。

大きなメリットです。

消防士と消防団員の違い:消防士と消防団員の力関係

結論から言うと、

消防団幹部>>>>>>>>>>消防士

という力関係が昔から根付いています。

田舎に行くほど、この傾向は強くなります。

理由は次のとおりです。

消防団の幹部というのは、

  • 自営業で財力のある人
  • 地元で顔が広い人
  • 地域での発言権が強い人

などが昇りやすいポジションです。

このような立場の人は、議員や市町村長などに強い発言権を持っています。

地域への発言権、影響力が大きいほど、選挙に対する影響力も強いということになります。

つまり

消防団幹部>>>>>市町村長、議員

という力関係が成立します。

消防士は、市町村長の職員であるため

市町村長>>>>>消防士

というのは、社長と社員の関係なので当たり前の力関係です。

また、市議会議員というのは、市議会で市長と同等に渡り合う権力を持っています。

つまり

市町村長=議員>>>>>消防士

となります。

わかりやすくすると

消防団幹部>>>>>市町村長、議員

             市町村長>>>>>消防士

          市町村長=議員>>>>>消防士

まとめると

消防団幹部>>>>>市町村長、議員>>>>>消防士

という力関係になるというわけです。

消防士は、消防団幹部に頭が上がりません。

【消防士と消防団員】なり方や給料、装備の違いを9項目で徹底解説のまとめ

消防士と消防団員の違いについて、いろいろな角度から説明しました。

違いは明確になったのではないでしょうか。

将来、消防士になりたい人、現在、消防士浪人をしている人などは、消防団に入ることで、消防士になった時のメリットが大きいことがわかりました。

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消防団の人も、消防士と同様に、人を助ける任務についていることが良くわかりました。

もしも、消防士になれなかった場合でも、地域や地元を守りたい思いが強い人は、そのまま消防団として活躍するという選択肢も悪くはなさそうです。

今後も、新しい情報が入り次第、レポートを更新していきます。


この記事を読まれた方で、さらに詳しく知りたいことがあれば追跡調査しますので、コメントか問い合わせフォーム、またはTwitterにてご質問ください。


また、消防関係者の方で、うちの本部ではこうなってるよ、それは違うんじゃない?などのご意見をいただける際も、コメントか問い合わせフォーム、またはTwitterにてご連絡いただけると助かります。

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