今回の記事では、消防士の年間行事についてレポートします。
火災予防運動や、救急の日なんていうのはニュースでも耳にしますが、他にはどんな行事があるのでしょうか。
今回の記事も、現役消防士の方や消防職員OBの方々からの調査結果をもとにレポートしたいと思います。
この記事を読むことで、一年を通しての消防士にまつわるイベントが明確に理解できます。
【イベント情報】消防本部の年間行事:4月
公務員の世界は年度制です。
会計も年度締めです。
異動も年度制です。
4月1日になると、所属の異動があった人は、職場の荷物、防火衣などの引っ越しを行います。
消防学校 初任科開始
新採用職員の新人消防士たちが消防学校へ入校します。
これから6か月間の寮生活と、消防士の基礎を学ぶための訓練を行います。
\消防学校について詳細はこちら/
消防団の新入分団員研修
消防団の入団は、年中受け付けています。
消防団員が、入団するたびに教育を実施することは非効率的です。
したがって、年に一度、前回の研修以降に入団した、新入団員を対象に研修を行います。
\消防団についての詳細はこちら/
【イベント情報】消防本部の年間行事:5月
水防訓練
梅雨前の時期に、梅雨の長雨や集中豪雨、台風の大雨などによる河川の氾濫、漏水などの水災に備えて、水防訓練を行う時期です。
地域によっては、市役所の土木課、水防団、水防事務組合、警察機関などと合同で行うこともあります。
消防写生大会
季節の良いこの時期に、消防写生大会を実施する消防本部が多いようです。
大きな公園に消防車を展示したり、保育園に消防車を持って行ったりして、子供たちに消防車の絵を書いてもらっています。
【イベント情報】消防本部の年間行事:6月
危険物安全週間
6月第2週の1週間を危険物安全週間と定めています。
市内の危険物施設等関係者の安全意識を高めることが目的です。
危険物火災を想定した消防訓練を重点的に行います。
危険物の安全管理に関する防災研修会などが全国各地で実施されます。
次のような「標語」をニュースで見かけるのもこの時期です。
\危険物安全週間推進標語の過去一覧【歴代モデルあり】/
【イベント情報】消防本部の年間行事:7月
これといってありません。
【イベント情報】消防本部の年間行事:8月
全国消防技術大会
救助技術の全国大会です。
県大会、全国9地区のエリア大会を勝ち抜いた選手が、救助技術を披露します。
9地区は次のとおりです。
一般財団法人全国消防協会という協会が主催している大会です。
昭和47年から開催している伝統のある大会です。
この全国大会は、救助技術の高度化に必要な基本的要素を練磨することを通じて、
ことを目的としています。
また、全国大会は毎年、開催地を変えて行っています。
開催地が変わることで、東京や大阪などの大都市に限らず、広く全国の市民に、消防の技術の高さ、力強さ、優しさをアピールすることが出きます。
訓練種目は陸上の部と水上の部に分かれています。
全国消防技術大会については、消防士の中でも賛否両論が語られることがあります。
詳細はこちらの記事。
【イベント情報】消防本部の年間行事:9月
防災の日
9月1日の「防災の日」にちなみ、毎年全国各地で防災訓練が実施されています。
関東大震災の発生日に起因しています。
消防本部が主体というよりは、市町村の危機管理課が主体となって、一般市民参加型の訓練が実施されています。
一般の会社などにおいても、避難訓練などを実施することもあるようです。
消防本部の行事というよりは、国民的行事となっています。
救急の日
9月9日は「救急の日」として定められています。
防災の日とつなげて、救急業務や応急手当に対する正しい理解を得るためのイベントを多く実施する機関となっています。
どこの消防本部も、講演会や応急手当の講習会などを積極的に開催しています。
救急救命士が主役になってイベントをけん引します。
\救急救命士について詳しく知りたい方はこちらの記事/
住宅防火防災キャンペーン
敬老の日(9月の第3月曜日)にちなんで、住宅の防火を啓発しています。
住宅用警報器や防炎製品などの普及に力を入れて広報活動を行います。
【イベント情報】消防本部の年間行事:10月
消防訓練大会
これは、消防士たちの大会ではなく、一般事業所の人たちによる訓練大会となっています。
消防署において、参加希望事業所を募ります。
希望があった事業所からは、出場選手を消防署に派遣し、消火訓練を教わります。
消火器を使った消火法や、屋内消火栓設備を使った消火法を教わります。
その技術を競い合う大会が行われるものです。
実はこの行事、消防士が異性と出会うチャンスの場でもあります。
その理由はこちらの記事。
\消防士との出会いの場にもなるようです、詳細はこちら/
消防の国際協力に対する理解の推進
毎年10月6日は「国際協力の日」です。
大規模災害が発生した場合の「国際消防救助隊」の派遣など、消防の国際協力について理解と協力を呼びかけます。
【イベント情報】消防本部の年間行事:11月
秋の火災予防運動
11月9日から1週間にわたって、全国一斉に秋の火災予防運動が実施されます。
暖房機器を使い始める時期であり、火気の取り扱いによる火災が増えだすころです。
火災が多くなる時期を前に、消防訓練や防火講演会などを実施し、一般市民に火災予防の意識を広めるため、さまざまな取組みがなされます。
防火パレードなどが行われるのも、この運動の一環で実施されています。
緊急消防援助隊 ブロック合同訓練
緊急消防援助隊は、消防本部単独で行っても、できる訓練が限られています。
基本的には県大隊として行動します。
そのため、連携訓練などを行うには、同県内の他本部、さらには他県の消防本部との合同訓練が欠かせません。
したがって、一定の時期を決め、全国を数ブロックに分けて、合同訓練を行っています。
\緊急消防援助隊の詳細はこちら/
119番の日
11月9日は119番の日です。
正しい通報ができないと、出動の遅れ、被害の拡大を招くおそれがあります。
正しい119番通報要領を呼びかけます。
【イベント情報】消防本部の年間行事:12月
年末夜景
日勤者の勤務が年内最後になる12月の28日から30日にかけて、年末夜景が行われます。
年末夜景というのは、消防本部や消防団が、夜間の防火体制を強化することです。
消防本部は、夜中まで勤務者を増員します。
消防団は、災害が起きたわけではなくとも、消防機庫に集合し、いつ災害が起きても出動できるように夜中まで待機します。
地域によって少年消防クラブ員などが
マッチ1本火事のもと!カン♪カン♬
と拍子木を叩きながら夜回りをすることもあります。
\少年消防クラブについて詳しく知りたい方はこちらの記事/
【イベント情報】消防本部の年間行事:1月
消防出初式
消防本部最大の行事と言っても過言ではない、消防出初式があります。
内容は、消防本部によってマチマチで、
などいろいろなパターンがあります。
12月になれば各本部が、消防出初式のポスターなどを作成し広報を始めます。
気になる消防本部があればホームページを覗けば、消防出初式の規模やスタイルがわかります。
文化財防火デー
1949年1月26日、国宝の法隆寺金堂の火災で、歴史的価値のある壁画12面が消失しました。
これをきっかけに、毎年1月26日を文化財防火デーと定めています。
各消防本部において、文化財を火災から守るため、そして、二度と貴重な文化財を失うことがないように、文化財のある施設を利用して消防訓練を行ったり、管内の重要文化財施設の立入検査をしています。
【イベント情報】消防本部の年間行事:2月
これといってありません。
【イベント情報】消防本部の年間行事:3月
春の火災予防運動
3月1日から1週間にわたって、全国一斉に火災予防運動が実施されます。
この期間中には、全国の消防本部が消防訓練を大規模ショッピングモールで行ったり、講師を用意して防災講演会を行ったり、火災予防に関するさまざまな取組みが行われます。
全国統一防火標語をニュースで見かけるかもしれません。
\全国統一防火標語について詳しくはこちらの記事/
消防音楽隊 定期演奏会
全国に約700の消防本部がある中、約100本部ほどが消防職員で音楽隊を編成しています。
その音楽隊による定期演奏会を行っています。
消防音楽隊は消防士により構成されています。
\消防音楽隊について詳しくはこちらの記事/
消防記念日
昭和23年3月7日「消防組織法」の施行に伴い自治体消防が発足しました。
その2年後の昭和25年から、この日を記念して、「消防記念日」が制定されています。
全国的に、
に対して感謝状を贈呈したりするなど、「消防記念日」に合わせて各種イベントを実施しています。
【イベント情報】消防本部の年間行事を月別解説【消防士】のまとめ
消防士の年間行事について、レポートしてきました。
年間を通して、記念日に合わせたイベントを実施していることが良くわかりました。
時期によって、行事のない月もありましたが、各消防本部が工夫をして、定期的なイベントは実施しているようです。
各消防本部のイベント予定は、ホームページやSNSから入手できます。
\消防本部のSNSについてはこちらの記事で詳しく解説しています/
\フォロワー数の多い消防本部の公式SNSはこちらの記事で紹介/
今後も、新しい情報が入り次第、レポートを更新していきます。
この記事を読まれた方で、さらに詳しく知りたいことがあれば追跡調査しますので、コメントか問い合わせフォーム、またはTwitterにてご質問ください。
また、消防関係者の方で、うちの本部ではこうなってるよ、それは違うんじゃない?などのご意見をいただける際も、コメントか問い合わせフォーム、またはTwitterにてご連絡いただけると助かります。
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