今回は、消防士が不祥事を起こしてしまうと、どのようなことが待っているのか?ということについてレポートします。
公務員の不祥事、警察の不祥事などと同様に、消防士の不祥事もニュースでよく耳にします。
不祥事の内容については詳しく報道されるものの、その後どうなったのかということは報道されません。
今回の記事も、現役消防士の方や消防職員OBの方々からの調査結果をもとにレポートしたいと思います。
この記事を読むことで、不祥事を起こした消防士に関することが明確に理解できます。
消防士と不祥事:懲戒処分ってなに?

消防士が、一定の違反行為を行った際に、受ける処分です。
違反行為とは、次のような行為のことです。
このような行為を行うと、次の4種類の中からいずれかの処分を受けます。
処分の決定の際には
などを考慮して決定します。
それぞれ罰が重い順に説明します。
免職
文字のごとく、職務を免じるということで、クビということです。
退職金ももらえません。
停職
職務を停止するという意味で、仕事に行くことを停止されます。
罪の重さにより、停職3か月であったり、6か月であったりと期間に違いが出ます。
もちろん、停職期間中は給料がもらえません。
金銭的に損をするのは、停職期間中だけかと思いますが、実は違います。
停職中は、定期昇給に必要な勤務期間から省かれます。
少し難しいので簡単に言い換えます。
公務員は、12か月フルに働くことで、年に1回、基本給が定期昇給します。
この12か月が少なくなればなるほど、定期昇給の額が減ります。
勤務期間が少なすぎると、定期昇給も0円になります。
この額は、一生取り返せません。
残りの消防人生が長ければ長いほど、同期たちよりももらえる給料は少なくなります。
消防士の給料についてはこちら
減給
文字のごとく、給料を一定期間減らされます。
「減給1/10、3か月」
という処分の場合、3か月間、基本給が9割しかもらえません。
戒告
ふだんは聞きなれない言葉ですが。
簡単に言うと、説教です。
給料面への影響はありません。
人事台帳には傷が残ります。
昇任試験の際などに考慮される内申点に影響が出ます。
競争率の高い採用試験を勝ち抜いた消防士と言えども人間です。
警察や自衛隊も同じですが、中には、心の弱い人がいて、やってはいけないことをやってしまう人がいます。
昇任試験についてはこちら
消防士と不祥事:分限処分ってなに?

懲戒処分とは、処分の種類が違う処分になります。
免職、降任
消防士が次のような状態になったときの処分です。
このような状態になると、免職や降任の処分を受けることになります。
本人が望まない休職
消防士が、次の状態になったときは、本人が望んでいなくても、一方的に休職という処分にすることができます。
それぞれ、説明します。
免職
懲戒免職と同じく、職務を免じるということで、クビということです。
退職金ももらえません。
降任
本人が望んでいないのに、階級を下げたり、役職を下げる、役職をなくす処分のことです。
休職
停職と似ています。
懲戒停職は、仕事ができる状態だけど、違反行為をしたから仕事をさせない処分。
分限休職は、仕事ができない状態になったため、強制的に休職状態にして、給料の支払いに制限をかける処分です。
消防士と不祥事:懲戒処分と分限処分の違いは?

聞きなれない言葉が並び、わかりにくくなったので、簡単に説明します。
となっています。
消防士と不祥事:マスコミに取り上げられやすい

消防士の不祥事というのは、話題性が高いために、頻繁にニュースで騒がれます。
警察官や自衛隊員も同じです。
一般サラリーマンならニュースにならないようなことでも、ニュースとして取り上げられてしまいます。
消防士と不祥事:不祥事発生後に退職金がもらえる人ともらえない人の違い

ニュースでよく、

不祥事を起こした消防士は、逮捕された日付けをもって、依願退職をしました。
と報道されることがあります。
依願退職というのは、自己の都合でやめる退職のことです。

せっかく採用試験に受かって公務員になったのに、不祥事を起こしたからといって依願退職しなくても !
と、一般市民は思うかもしれません。
その理由は、次のとおりです。

退職金が貰えなくなるくらいなら、先に辞めて、退職金をもらおう
と考えるわけです。
消防本部側にとっても大きなメリットがあります。
退職金を払わないといけないというデメリットは発生しますが、次のようなメリットがあります。
消防士と不祥事:不祥事がなくても辞めていく人も一定数いる

不祥事を起こし、懲戒免職となって辞めていく人のほかにも、消防士を自己都合退職する人というのは一定数います。
ネガティブな理由
ポジティブな理由
消防士を辞めた後の就職先
ポジティブな理由で辞める人の就職先を次に挙げます。
これらはほんの一例です。
副収入が増えすぎて辞める人は
などで成功するようです。
ただ、これらの理由で成功したからといって辞めていく人は少なく、消防士をしながら、消防士に許されている副業を続けるようです。
他本部への転職
次のような理由で他の消防本部への転職のため、辞めていく人もいます。
他本部への転職については、別の記事で詳しくレポートしています。↓
現場に行く前に、消防士を辞める人
早い人では、消防学校の初任科(6か月)を卒業する前に、消防士を辞めます。
理由は、

消防学校の訓練が、体力的にツラすぎて、ついて行けない
というもの。
せっかく厳しい採用試験を勝ち抜いたのに、もったいない。
【消防士の不祥事と退職】ニュースで見る不祥事を起こしたその後は?のまとめ

消防士の不祥事について、処分の種類や内容についてレポートしました。
また、不祥事を起こしていないものの、様々な理由で退職していく消防士にも触れてみました。
みなさんの職場にいる人も、もしかしたら元消防士かもしれませんね。
\消防士採用試験について詳しく知りたい方はこちらの記事/
今後も、新しい情報が入り次第、レポートを更新していきます。
この記事を読まれた方で、さらに詳しく知りたいことがあれば追跡調査しますので、コメントか問い合わせフォーム、またはTwitterにてご質問ください。
また、消防関係者の方で、うちの本部ではこうなってるよ、それは違うんじゃない?などのご意見をいただける際も、コメントか問い合わせフォーム、またはTwitterにてご連絡いただけると助かります。
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