こんにちは、TEAM WEBRIDです。
今回の記事のテーマは、消防士と確定申告について。
「消防士は公務員だから、確定申告なんて自分ですることないでしょ?」
こんな声が聞こえてきますが、実は条件によっては消防士も確定申告が必要な場合があります。
確定申告の目的は次の2つ。
今回の記事も、現役消防士や消防職員OBへの取材をもとに解説します。
この記事を読むことで、消防士に必要な確定申告のことが理解できます。
それでは、レポートします。
そもそも確定申告って何なの?
そもそも確定申告とは、ある年の1月1日から12月31日までの所得に対する税金などを計算し、税務署に申告することです。
公務員でない場合は、1年間の所得(売上から経費を差し引いた儲け)をとりまとめて所得にかかる税金を計算し、税務署に申告します。
翌年の2月16日~3月15日の間に税務署に報告と納税を行います。
なお、期限日が土日や祝日の場合は、休日明けの平日が最終日になります。
しかし、払いすぎた税金の還付を受ける(税金を取り戻す)ための還付申告は例外です。
還付申告の場合は、1月1日から申告が可能です。
申告可能になった日から5年以内であれば、いつでも還付申告をすることができます。
消防士(公務員)の場合は、職場において年末調整を行うだけで、あとは職場が確定申告を行ってくれます。
つまり、一般的な消防士は、確定申告を行う必要はありません。
公務員である消防士にとっては、職場で行う年末調整が、確定申告のようなものです。
しかし、条件によっては、冒頭でも話したとおり、消防士にも年末調整だけでなく、確定申告が必要になってきます。
「12月の給料、少なくなることもあるの?年末は何かとお金がかかるのに大変ね。」
このように思うかもしれませんが、年末調整では、払い過ぎた税金が返ってくることがほとんど。
つまり、いつもの月より給料の手取りが多いことがほとんどです。
ただ、12月は消防士にとってのボーナス月です。
そのため、いつもより月の手取りは多いものの、ボーナスの陰に隠れてしまいお得感は少ないというのが実情です。
ではさっそく、年末調整だけで納税は終わるはずの消防士が、どのような場合に確定申告が必要なのか、還付申告と納税申告の条件を、それぞれ説明します。
具体的には次のような人が、確定申告が必要となります。
税金が戻る還付申告:年間の医療費が10万円を超えた
俗にいう、医療費控除のことです。
難しく言うとこれ。
確定申告する本人と、生計を一にする家族が、1年間に支払った医療費が一定金額を超えた場合、控除が受けられる制度
簡単に言うとこれ。
確定申告する消防士と、消防士の配偶者や子供、扶養している親などが、1年間に支払った医療費が一定金額を超えると、たくさんの医療費を支払ったんだから、支払う税金を少なくしてあげるよという制度
消防士のような公務員であっても、医療費控除の手続きは年末調整では行われません。
税金の還付を受けるためには、自分で確定申告を行う必要があります。
医療費控除は還付申告なので、対象の年から5年以内であればいつでも申告できます。
5年以内に高額な医療費を支払った人は、まだ税金が帰ってくるチャンスが残っています。
では、1年間に支払った一定金額の計算方法を説明します。
1年間の医療費-保険金で支払われた額-10万円
保険金で支払われた金額というのは、次のようなもの。
例えば、年収500万円。
手取りが300万円の消防士がいます。
本来は、手取りの300万円に対して税金が計算されます。
しかし、医療費を80万円支払いました。
保険金を20万円受給しました。
控除を受けれる医療費控除は
1年間の医療費-保険金で支払われた額-10万円
だったので、
80万円ー20万円ー10万円
つまり50万円の医療費控除を受けることができます。
結果、手取りの300万円からさらに50万円控除され、手取り額は250万円になります。
300万円にかかる税金より、当然250万円にかかる税金の方が少ないので、支払った税金が戻ってくるということになります。
税金が戻る還付申告:ふるさと納税をした
ふるさと納税は、寄付金控除の対象になります。
自治体に寄付をした金額に応じて、
それぞれから控除される制度です。
公務員であっても、ふるさと納税の控除は、年末調整では行われません。
税金の還付を受けるには、自分で確定申告を行う必要があります。
還付申告なので、対象の年から5年以内であればはいつでも申告できます。
税金が戻る還付申告:住宅ローンを組んだり増築や修復などの工事をした
住宅ローン控除(住宅ローン減税)を受けるにも、確定申告が必要です。
住宅ローン控除は、正式には「住宅借入金等特別控除」といいます。
一定の要件を満たして、
などを行い確定申告をすると、税金の控除を受けられる制度です。
マイホームを購入し居住1年目の確定申告では、消防士(公務員)であっても、確定申告が必要です。
2年目以降は、消防士の場合は、確定申告を行う必要はなく、年末調整だけで住宅ローン控除を受けることができます。
なお、一定の要件というのは、返済期間が10年以上の住宅ローンを借り入れる等の要件です。
控除額は、住宅ローンの借入額に比例しています。
住宅ローン残高の1%が所得から控除されます。
額が大きいため、確定申告を行わないという選択肢は0です。
税金を納める申告:不動産所得や不動産を売却して利益が出た
消防士としての給料以外に、一定の所得があった場合は、確定申告をする義務があります。
確定申告が必要なのに期限内に申告しなかった場合は、ペナルティが発生する場合もあります。
このような収入がある場合は確定申告が必要になります。
年間の収入が20万円以上であれば確定申告より、納税が必要です。
ただ、消防士(公務員)の場合は、副業にならないかを考慮する必要があります。
次のような規模の不動産収入は、消防士には認められていません。
税金を納める申告:副業などの所得の金額の合計額が20万円を超えている
家や土地の賃貸収入のような不動産所得以外にも、副業による所得が年間20万円以上ある消防士は、確定申告が必要です。
消防士の副業については、消防士ドットコム内のこちらの記事でレポートしています。
なお、株式投資においては、自動的に源泉徴収が行われる特定口座を利用している場合は、確定申告は不要となっています。
株式投資を行っているほとんどの消防士は、特定口座を利用し、確定申告の手間は省いています。
また、NISA・つみたてNISAなどの非課税投資枠内での投資で利益が出た場合でも、確定申告は不要です。
消防士のNISAについては、こちらの消防士ドットコム内の記事で詳しくレポートしています。
【消防士の確定申告】公務員でも確定申告がいる5つの条件のまとめ
消防士の確定申告についてレポートしました。
まとめると、次のとおり。
消防士のような公務員は、確定申告が不要と思っている人がほとんどではないでしょうか。
消防士の人でふるさと納税を行っている人は多くいますが、寄付先の自治体が5以下でできる「ワンストップ特例制度」を利用している人が大半です。
消防士の中には株式投資を行っている人は多いものの、確定申告を必要としない「特定口座」で運用している人が大半。
何が言いたいかというと、手間のかかる確定申告を行わなくても、ふるさと納税や株式投資は可能だということです。
現実的に、消防士に確定申告が必要になるきっかけはマイホームの購入がほとんどです。
ただ最近は、一般企業の副業解禁の動きが強く、公務員である消防士でも、副業に取り組もうとする意識は強くなっています。
消防士でも可能な副業について気になる方は、先ほども紹介したこちらの記事をご覧ください。
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