こんにち、TEAM WEBRIDです。
今回の記事では、「消防本部」と「消防署」の定義の違いを説明します。
似ていますが、中身は全く異なります。
わかりにくいですねー。
根拠とともに説明します。
今回の記事も、現役消防士や消防職員OBへの取材をもとにレポートします。
この記事を読むことで、「消防本部」と「消防署」の違いが理解できます。
【消防本部と消防署の違い】そもそも根拠は何?

消防本部と消防署の定義を決めている根拠は、消防組織法です。
消防組織法の第9条に記載されています。
(消防機関)
消防組織法より引用
第九条 市町村は、その消防事務を処理するため、次に掲げる機関の全部又は一部を設けなければならない。
一 消防本部
二 消防署
三 消防団
市町村は、次の3つを設けなければならないとされています。
この時点で、消防本部と消防署が並列で記載されているので、異なるものであるということは断定できます。
消防署は、消防本部の中の1部署ではあるものの、必ず設ける必要があるということですね。
具体例は次のとおり。
【消防本部と消防署の違い】それぞれのトップはだれなの?

消防本部と消防署の長(トップ)も、消防組織法に根拠があります。
(消防長)
消防組織法より引用
第十二条 消防本部の長は、消防長とする。
2 消防長は、消防本部の事務を統括し、消防職員を指揮監督する。
消防本部の長(トップ)は消防長です。
消防長 ⇒ (指揮監督) ⇒ 消防職員 という指揮命令系統になります。
(消防署長)
消防組織法より引用
第十三条 消防署の長は、消防署長とする。
2 消防署長は、消防長の指揮監督を受け、消防署の事務を統括し、所属の消防職員を指揮監督する。
消防署の長は消防署長です。
消防長 ⇒ (指揮監督) ⇒ 消防署長 ⇒ (指揮監督) ⇒ 消防職員 という指揮命令系統になります。
【消防本部と消防署の違い】それぞれの仕事内容の違いは?

消防本部は、消防署のボスです。
消防署が5か所あれば、5か所の消防署のボス。
消防署が20か所あれば、20か所の消防署のボスです。
ボスなので取りまとめ役です。
ボスなので、他本部なり総務省消防庁なり都道府県なり、対外的な調整も行います。
消防本部の主な業務はこれ。
基本的には、災害出動しません。
消防署の主な業務はこれ。
現場活動がメインです。
【消防本部と消防署の違い】それぞれの職員の違いはあるの?

消防職員に採用されると、まずは消防学校に行きます。
消防士の基礎を学ぶために消防学校で「初任科」という教育を受けます。
その後、まずは消防署において勤務を行います。
全員が現場活動を学ぶわけです。
その後、異動のタイミングで、他の消防署へうつったり、消防本部へ異動したりするわけです。
何が言いたいかというと、消防本部には、採用後間もない職員、つまり若い職員は少ないということです。
消防本部によっては、消防士長以上しかいない本部もあります。
また、消防本部は階級上位者が多い。
消防署のトップは先ほど言ったように消防署長です。
例えば政令市だと、消防署長は消防正監や消防監あたりの階級です。
上から3番目か4番目の階級です。
このあたりの階級が1人か2人いるぐらい。
\階級について詳しく知りたい人はこちらの記事/
しかし、消防本部となると、トップの消防長は消防司監。
上から2番目。
※上から1番目の消防総監は、全国にただ一人、東京消防庁の消防庁のみ
署には1人か2人ぐらいしかいなかった消防正監や消防監がゴロゴロいます。
かんたんに言うと、消防署より消防本部の方が偉い人がたくさんいるということです。
【疑問解決】消防本部と消防署の違いのまとめ

消防本部と消防署の違いについてレポートしました。
まとめると次のとおり。
消防署長より偉い人がたくさんいるのは意外でした。
消防署はあくまでも1つの課です。
署長といえども、あくまでも課長クラス。
消防本部に行けば、課の数だけ課長はたくさんいるし、さらに上役の部長や次長、消防長がいるということです。
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