こんにちは、TEAM WEBRIDです。
消防士のイメージって、
ですよね。
ただ、この消防士っていうイメージ、消防官、消防職員・消防隊員・消防吏員と聞いても同じようなイメージを持ちますか?
とくに最後の消防吏員なんて聞きなれないキーワードですよね。
今回は、この
について言葉の違いを解説します。
今回も、現役消防士や消防職員OBへの取材をもとにレポートします。
この記事を読むことで、5つの呼び方の違いが明確に理解できます。
【消防士・消防官・消防職員・消防隊員・消防吏員の違い】消防士とは?
消防士という言葉には、2種類の意味が存在します。
順番に説明します。
”職業”としての消防士
職業としての消防士、つまり、先ほどのイメージどおり。
このような活動を仕事として行っている人たちの総称です。
正しい使い方は次のとおり。
「何の仕事に就職したの?」
「消防士です」
「お父さんの仕事はなに?」
「消防士です」
「将来の夢は?」
「消防士です」
これらは全部正しい使い方です。
消防士=仕事の種類です。
”階級”としての消防士
10段階ある階級の中の1つに、消防士という階級が存在します。
10段階の中で、一番低い階級のことです。
階級制度は、消防本部を運営する自治体(市町村など)の規則に記載されています。
自治体のルールに階級制度が記載されていますが、全国共通の階級になっています。
どうしてか?
それは、全国の自治体がお手本をもとに階級制度を定めているから。
そのお手本とは、総務省消防庁が定めている告示「消防吏員の階級の基準」(昭和37年5月23日 消防庁告示第6号)です。
国が示したお手本に基づいて、消防本部を運営する自治体が規則で階級を決めています。
よくあるパターンは、
といったもの。
後で述べる「消防吏員」というワードが出ましたが、後で詳しく説明するのでこの場は流します。
多くの自治体(市町村)の条例や規則は、インターネットで確認できる時代です。
気になる本部があれば、
”〇〇市” ”消防” ”階級” ”規則”
などでブラウザ検索すると閲覧できます。
消防士の階級制度についてさらに詳しく知りたい人はこちらの記事をどうぞ。
【消防士・消防官・消防職員・消防隊員・消防吏員の違い】消防官とは?
消防官とは、仕事としての意味である消防士と同様に使われています。
しかし、この消防官、法律や条例など、どこにも根拠がありません。
じゃあどうして“消防官”という言葉が使われるようになったのか。
これは、同じ公安系の職種に目を向けると雰囲気がわかってきます。
公安系といえば、警察官や、自衛官が真っ先に頭に浮かびますよね。
なんだかアンバランスです。
自然としっくりきます。
このように、公安系の職業を並列で考えた時に、警察官や自衛官に倣(なら)って呼ばれるようになりました。
その証拠に、警察官、自衛官、消防士の中で、一番最後に制度化されたのは消防士です。
先ほども言ったように、消防士の存在を明確にする「消防法」や「消防組織法」の中でも“消防官”というキーワードは一切出てきません。
法律に根拠がないものの、警察官や自衛官に倣(なら)って“通称”や“あだ名”のように使われているのが消防官です。
そのため、仕事の名称としての消防士と同様に使用可能です。
正しい使い方は次のとおり。
「何の仕事に就職したの?」
「消防官です」
「お父さんの仕事はなに?」
「消防官です」
「将来の夢は?」
「消防官です」
これらは全部正しい使い方です。
消防官=消防士=仕事の種類です。
【消防士・消防官・消防職員・消防隊員・消防吏員の違い】消防職員とは?
消防職員も、仕事としての消防士を意味します。
消防士=消防官=消防職員と考えて大丈夫。
ただ、厳密に言うと、消防職員というワードには、さらに深い意味があります。
というのも、消防職員というワードは、消防本部を運営する自治体(市町村)の条例や規則に頻繁に使用されます。
つまり、消防職員というワードの根拠が明確に存在することがわかります。
これらのことを解釈すると、次のとおり定義づけることができます。
消防本部や消防署に勤務する公務員=消防職員
公務員は、存在意義から仕事の内容まで、法律や条例にすべて根拠が記載されています。
法律や条例に記載されている公務をこなすから公務員です。
そんな公務員の中で、市役所ではなく、消防本部や消防署に勤務する公務員を消防職員と定義づけています。
そのため、消防職員を広い意味で解釈すれば、消防士や消防官と同じく仕事の種類と解釈できます。
逆に、狭い意味で解釈すれば、消防本部や消防署に勤務する公務員です。
正しい使い方は次のとおり。
「何の仕事に就職したの?」
「消防職員です」
「お父さんの仕事はなに?」
「消防職員です」
「将来の夢は?」
「消防職員です」
これらは全部正しい使い方です。
消防職員=消防士=消防官=仕事の種類です。
【消防士・消防官・消防職員・消防隊員・消防吏員の違い】消防隊員とは?
消防隊員は、消防隊の隊員の略称です。
消防隊というと、火災現場に出動し、消火活動を行う隊です。
まさしく消防士です。
ただ、今までのように仕事の種類として消防隊員を使用するのは違和感が大きい。
消防隊員というワードは、仕事の種類の1つとしては呼びにくくなります。
なぜなら全国のほとんどの消防本部が兼務制です。
兼務制とは、一人の消防士が、火災にも出動するし、救急隊として救急現場にも出動する。
また別の日にはオレンジ色のレスキュー服を着て救助現場にも出動する。
東京消防庁や一部の政令指定市以外はほとんどが兼務制。
勤務した日の編成次第で、
をこなすわけです。
つまり、消防隊員とは、消防士の業務の中の一部でしかありません。
あえて業務の一部を仕事の種類として表現するのは適切ではないですよね。
消防隊員とは、あくまでも消防隊として火災現場へ出動する隊員のことです。
ただ、東京消防庁や一部の政令指定市の専任隊のように、異動があるまでは専任として消防隊の仕事しかしない消防士は、仕事の種類として消防隊員を名乗るのもまんざらでもありません。
あくまでも、東京消防庁や政令指定市の一部の消防士のみですが。
【消防士・消防官・消防職員・消防隊員・消防吏員の違い】消防吏員とは?
消防吏員とは、消防職員の中で、一般的な消防士のイメージである、
などを行う人たち。
「え?じゃあ消防職員と一緒じゃない?」
と思いますよね。
それが、違うんです。
実は、消防職員の中には、上記のような消防士の仕事をせずに、事務だけに従事する消防職員もいるのです。
消防本部や消防署に勤務する公務員だけど、火災や救急に出動しない公務員。
誰だと思いますか?
ヒントは公務員。
もう消去法で決まっちゃいますね。
そうです、自治体(市町村)の行政職員です。
消防本部や消防署へ、その消防本部を運営する自治体(市町村)の公務員が、
などの業務のために、消防本部や消防署へ異動してくるわけです。
この人たちは、消防本部や消防署へ勤務する公務員なので、消防職員です。
でも、消防学校も卒業していないし、階級も持っていません。
このような人たちが、消防吏員ではない消防職員です。
逆に、消防吏員は、消防本部や消防署へ勤務する公務員の中でも、消防学校を卒業し、階級を持っていて、火災現場や救急現場へ出動する公務員です。
消防吏員という聞きなれない言葉ですが、だいたい理解できたでしょうか。
消防士=消防官=消防吏員は正解です。
しかし、消防職員=消防吏員は成り立ちません。
消防職員 = 消防吏員 + 消防吏員以外
という仕組みです。
表にするとこんな感じです。
項目 | 消防吏員 | 消防吏員以外 |
立場 | 公務員 | 公務員 |
勤務先 | 消防本部・消防署 | 消防本部・消防署 |
階級 | あり | なし |
消防学校 | 卒業 | 未卒業 |
現場出動 | あり | なし |
【解決】消防士・消防官・消防職員・消防隊員・消防吏員の違いって何?のまとめ
消防士・消防官・消防職員・消防隊員・消防吏員の違いについてレポートしました。
まとめると次のとおり。
似たような名前でも微妙にニュアンスが異なることがよくわかりました。
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