消防士の視点から警察・自衛隊との違い9点を考察!【公安系公務員】

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消防士になりたいけど、公安系公務員の警察や自衛隊にも興味があります。
どんな違いがありますか?

こんにちは、TEAM WEBRIDです。
今回の記事は、消防士の視点から、同じ公安系公務員である警察や自衛隊との違いを考察したいと思います。
消防士を目指す人で、警察や自衛隊を滑り止めとして受験する人も少なくありません。
消防士からは、警察や自衛隊はどのように見えているのでしょうか?
今回の記事も、現役消防士の方や消防職員OBの方々からの調査結果をもとにレポートします。
この記事を読むことで、消防士から見た警察や自衛隊との違いがよくわかり、もしかしたら進路希望に変化が生じるかもしれません。
または、なおさら消防士を目指すモチベーションが上がるかも。
それではレポートします。

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運営媒体の違い

消防、警察、自衛隊と、それぞれ運営媒体が違います。
消防は、当サイト(消防士ドットコム)を閲覧している人なら知ってのとおりだと思いますが、自治体(市町村)が運営しています。
警察は、都道府県単位ですね。
“県警”といった呼び方はよく耳にすると思います。
自衛隊はが運営しています。
周知の事実です。
大きい順にいうと、

  • 国が運営している自衛隊
  • 都道府県が運営している警察
  • 自治体(市町村)が運営している消防

と並びます。
運営媒体の規模、国⇒都道府県⇒市町村というパワーバランスが、そのまま運営している組織の規模に直結しています。
自然な流れですね。

【規模】

自衛隊>>>>>>>警察>>>消防

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職員数の違い

運営媒体の規模の違いが、職員数の違いにも顕著に現れています。
自衛隊は全国で約1,100万人います。
次いで、警察官が約25万人。
消防士は、3者の中では一番少なく約16万人です。

職種職員数
自衛隊1,100万人
警察25万人
消防16万人
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最小単位組織の職員数の違い

先ほどの人数は、全国の職員数合計での話です。
自衛隊は全国で1組織ですが、警察・消防はさらに細分化されます。
ちなみに、自衛隊といえば

  • 陸上自衛隊
  • 海上自衛隊
  • 航空自衛隊

と3つの組織に分かれそうなイメージがあるものの、あくまでも部門の違いなわけであり、組織としては1つです。
そのため、最小単位で考えたとしても1,100万人規模の1組織です。
警察は都道府県が運営しているため、全国に約25万人の警察官がいるものの、47本部に細分化されます。
小さい警察本部では1,200人程度から、大きい警察本部になると42,000人程度と、35倍もの大きな開きがあります。
消防士となると、さらに細分化され、全国に700を超える消防本部が存在します。
50人に満たないような小規模な消防本部から、18,000人程度の職員がいる消防本部まであります。
その差なんと360倍
消防本部の組織の大きさの開きに比べたら、警察の35倍なんてたいしたことないですね。

守るものが違う

3者とも仕事の目的が異なるから独立して存在しているわけです。
仕事の内容が同じなら、ひとまとめで良いわけです。
公務員なので、仕事の内容は法律に記載されています。
それぞれの法律を確認してみます。

消防士の仕事は、消防組織法第1条に記載されています。
消防士なら、消防学校で暗記させられる文脈です。
法律に書かれている自分たちの仕事の内容なので、暗記していて当然ともいえます。

消防は、その施設及び人員を活用して、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、水火災又は地震等の災害を防除し、及びこれらの災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行うことを任務とする。

消防組織法 第一条 消防の任務

警察と自衛隊の仕事の内容も見てみましょう。
まずは警察。

警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもつてその責務とする。

警察法第2条 警察の責務

次に自衛隊。

自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たるものとする。

2 自衛隊は、前項に規定するもののほか、同項の主たる任務の遂行に支障を生じない限度において、かつ、武力による威嚇又は武力の行使に当たらない範囲において、次に掲げる活動であって、別に法律で定めるところにより自衛隊が実施することとされるものを行うことを任務とする。

一 我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に対応して行う我が国の平和及び安全の確保に資する活動

二 国際連合を中心とした国際平和のための取組への寄与その他の国際協力の推進を通じて我が国を含む国際社会の平和及び安全の維持に資する活動

3 陸上自衛隊は主として陸において、海上自衛隊は主として海において、航空自衛隊は主として空においてそれぞれ行動することを任務とする。

自衛隊法 第三条 自衛隊の任務

法律なので、言葉使いが難しく、伝わりにくいと思います。
そこで、余計な部分をそぎ落とし、主たる仕事の内容をシンプルに突き詰めるとこうではないでしょうか?

  • 自衛隊 『外国』から国を守る
  • 警 察 『人』から人を守る
  • 消 防 『災害』から人を守る

あくまでも主たる仕事の内容です。
自衛隊については、そもそも外国が攻めてこないので、国防というよりも災害支援のほうが目立っています。
これはこれで、平和で良いことです。
大きな災害が起きて、自衛隊のマンパワーが欲しいのに、敵国からの侵略を防ぐことが手一杯で災害支援どころではないなんてことになったら、消防士と警察官は過労死しそうです。

話がそれますが、消防と自衛隊はそれぞれ『任務』という表現なのに対し、警察は『責務』という表現です。
警察法上、『任務』という項目は存在しません。
興味深いですね、ルーツの違いや法律のでき方の違いなどが影響していると思われます。
詳しい方で、情報提供いただけると助かります。

居住エリアの範囲が違う

運営媒体の違いは、そのまま職員の異動範囲に直結します。

消防士は、自治体(市町村)が運営しているため、管轄地域は運営元の市町村の範囲に絞られます。
つまり、県外への異動などはありえないということ。
地域密着型の生活を送れます。
一軒家を建てたり、マンションを買ったり、不動産に手を出しやすい環境です。

警察となると、異動範囲は広がります。
なぜなら管轄地域が都道府県単位だから。
例えば、東西に長い山口県警の警察官になったとします。
西端の下関市と、東端の岩国市では160キロの距離があります。
つまり、岩国警察署の配属から下関警察署への異動があるということです。
さすがに160キロの距離を毎日往復するのは非現実的です。
引っ越しをするなり、単身赴任をするなりの選択が必要になります。
ストレスですね。
マイホームも建てにくくなります。

自衛隊ともなると、異動は全国に及びます。
極端なことを言うと、沖縄の駐屯地から北海道の駐屯地へ異動する可能性もあるということです。
マイホームの建築なんて遠い夢。
例えば、

地元の秋祭りには、毎年欠かさず参加したい!

という希望を叶えることも難しいかもしれません。

一点、誤解のないように補足します。
警察官や自衛隊員がマイホームは持てないような誤解を受けないでくださいね。
制度上、起こりうる可能性がある異動の話をしましたが、職務経験、役職、持ち家の有り無しなど、在職年数が経過すればある程度は考慮した異動希望がとおるようになります。
しかし、もちろん組織の歯車のひとつであることに変わりはないので、希望通りにならないこともあります。
そのあたりは一般企業も同じようなことが言えますね。

採用のされやすさが違う

採用試験の倍率の話ではなく、受かりやすさの話。

例えば、受験競争倍率が10倍の採用試験があったとします。
1人しか受からない試験では、10人の受験生がいるということですね。
合格するのは10分の1の確率です。
消防・警察・自衛隊の採用試験を受けるような受験生です、それなりのスポーツをたしなんできたスポーツマンの集まりです。
10人中の1位になる自信はありますか?
狭き門ですよね。
しかし、同じ受験競倍率が10倍だとしても、100人中の10位までに入るとなれば話は別です。
さらには1,000人中の100人
もっと増えれば10,000人中の1,000人
だんだん、自分でも受かれそうな気分がしてきませんか。
そうです、同じ受験競争倍率だとしても、受け皿が増えれば増えるほど受かりやすくなります。
全職員数が100人規模の消防本部であれば、年間の新採用職員は多くて2人、少なければ0人です。
もちろん受験する人数にもよりますが、狭き門です。
しかし、1,100万人規模の自衛隊ともなれば、18から60才までの42年間で単純計算しても年間26万人の入れ替わりがあります。
受かりやすさは圧倒的に消防が難しく、自衛隊は簡単です。
ただ、自衛隊も一部の幹部候補生枠などは難関となっていますので、例外があることも頭の片隅に置いてください。
警察と消防を比べても大きな差があります。
というのも、警察には受かったのに、消防に落ちるというパターンが非常に多い。
さらに、現役消防士の中には元警察官がたくさんいます。
この事実が、警察と消防の採用試験のハードルの高さの違いの根拠です。

採用試験の受かりやすさ

自衛隊>>>>>>>>>警察>>消防

資機材のスケールが違う

運営媒体の規模の大きさは、そのまま財力の大きさに直結します。
自衛隊がジェット機1つに数十億円の経費を費やしているのに対し、年間の消防予算が数億円の消防本部があります。
規模が違うので当然と言えますが、財力の違いは資機材に大きく影響します。
顕著な事例を紹介すると、自衛隊と消防が同じ現場で活動する大規模災害時がわかりやすい。
例えば土砂崩れにより、人が埋まっているため検索活動を行うとします。
手作業による検索は限界があるため、ショベルカーを持っている消防本部がショベルカーを利用して土砂を掻き出します。
消防が持っているショベルカーといえばこのぐらいのサイズが一般的です。

イメージ図

人間よりパワーはあるものの、掻き出す量としたスコップ5杯分程度。
その周囲では、消防隊員が十数人集まり、土砂をスコップを用いた手作業で掻き出します。
一回のスコップで泥を持ち上げても、周囲の泥が流れ込み、ほぼ検索範囲の姿は変わりません。
しばらくすると、自衛隊の土砂災害専門部隊が到着します。
自衛隊のユンボはフルサイズです。

イメージ図

消防が小さなショベルカーと消防隊員十数人で数時間掘り続けたエリア、同じ量の土砂を2掻きぐらいで取り去ってしまいます。
スケールの違いが圧倒的です。
こんなもの横で見せられた消防隊員は戦意喪失してしまいそうですね。
もちろんこのクラスのショベルカーを持っている消防本部もあるものの、ほんのごく一部だけです。
消防も警察も自衛隊も仕事の役割が違うので、日本全体のそれぞれの役目で考えると、合理的といえば合理的です。

消防士の世界は、社長になりやすい

 消防士の世界

消防士の世界は、消防本部の数だけ社長がいます。
全国に700を超える消防本部があるので、消防本部の社長も700人を超えます。
一般的には消防長という総称を使います。
”消防局長”という表現がニュースなどで聞きなれていると思います。
〇〇市消防の消防長は、消防局長です。
消防長と消防局長は同じ意味ですが、東京消防庁の消防長や、〇〇市消防本部の消防長は消防局長と呼びません。
東京消防庁の消防長は、消防局長ではなく消防総監です。
日本でただ一人の消防総監。
東京消防庁の消防長だけを差す表現です。
東京消防庁は局制ではないからですね。
消防本部も局制じゃないので、トップの消防長は、消防局長と呼ばずに消防長です。
消防局の消防長だけが、消防局長です。
消防本部という表現には注意が必要。
東京消防庁や消防局、消防組合、消防本部、広域消防など、消防組織自体を総称として呼ぶときは消防本部と表現します。
ややこしいですね。
消防本部の表現の違いは、こちらの記事で詳しく説明しています。

消防士の世界は、だれでも社長である消防長になれる可能性があります。
そもそも自治体(市町村)単位なので職員数自体が少なく、小さな消防本部ほど同級生も少なくなり、消防長になれる可能性は高まります。
採用試験が毎年実施されない消防本部になってくると、なおさらです。
頑張れば社長になれるというのは、男としては1つのロマンでもあります。
小さい本部ほど、消防長(社長)になれる可能性は高まりますが、できれば大きい本部で消防長になりたいという考えもあるかもしれません。
この先は、個人の価値観次第です。
これが、警察や自衛隊となると、少し違ってきます。

 警察の世界

まず警察。
消防より断然、社長になりにくい
理由は2つ。
警察の社長は全国に47人います。
47都道府県に警察本部があるからです。
警視庁(東京の警察本部のこと)の社長は警視総監。
東京以外の警察本部の社長は本部長といいます。
ひとつ目の理由は職員数が多いためライバルが多い。
出世には実力が必要です。
自分が歩んできた経歴に関係したポストが空くかどうかが大きく影響します。
同期や同級生も多く、昇任試験のハードルも自然と高くなります。
しかし、2つ目の理由のほうがさらに問題です。
じつは、警察というのは、消防と違って、国の機関である警察庁の権限が強く、全国の消防本部の人事権を所有しています。
簡単に言うと、全国の消防本部の重要ポストに、警察庁の官僚が異動してくるということ。
順調に出世していき、次はそろそろ本部長かというところで、国の警察庁の官僚がスッを割って入ります。
消防の世界ではありえません。
総務省消防庁の役人が、消防本部の消防長に異動してくることはあり得ません。
稀に、市町村部局から行政職の職員が、消防長に異動してくることもありますが、本当にレアなケースです。
やはり警察は、都道府県の機関なだけあって、国(警察庁)との結びつきが強い仕組みです。

【紛らわしいので言葉の違いを補足】

警視庁:東京都の警察本部のこと。47都道府県にひとつずつ存在する警察本部のうちのひとつ。簡単に言うと、東京都の警察。

警察庁:内閣府の外局のひとつ。内閣総理大臣の下におかれる国家公安委員会の特別の機関。簡単に言うと、国の警察機関。

このような理由により、警察本部の本部長(社長)になるには、相当なハードルがあります。

 自衛隊の世界

自衛隊となると、警察本部の本部長になるよりも、さらに高いハードルが待ち受けています。
自衛隊の社長は、内閣総理大臣です。
めちゃくちゃ高いハードルですね。
あくまでも社長は内閣総理大臣ですが、内閣総理大臣は仕事の範囲が広すぎるので、1段階下げます。
内閣総理大臣の下は、防衛大臣です。
防衛大臣も普通の人が狙える役職ではありません。
さらに下げます。
次は、統合幕僚長です。
ここらあたりの役職が実質的な社長でしょうか。
1,100万人のトップであり、みなまで言わずとも簡単になれるものではないことがわかると思います。
もちろん、それなりの経歴が必要。
筆頭候補は、防衛大学を卒業し、幹部候補生枠としての採用です。
つまり、一般枠からの自衛隊入隊により、社長(統合幕僚長)を目指すこと自体が非現実的です。
こうやって考えると、消防本部の社長になることが、いかにハードルが低いのかということがわかってもらえると思います。

市民との距離感

消防、警察は119番通報110番通報があると出動します。
要請している人が市民なので、出動することで市民と接します。
119番通報も、110番通報も偶然9,000,000件(900万件)程度/年間を推移しています。
怪我をした、交通事故にあったなどのタイミングで要請するため、日常と密接な関係があります。
では、自衛隊についてはどうでしょうか。
そもそも個人が自衛隊の出動を要請できませんよね。
自衛隊が市民と接するときというのは大規模な災害が発生した時などです。
“災害支援”という横断幕を吊るした車両が走っている場面など、ニュースで見かけたことがあると思います。
つまり、消防や警察に比べて、自衛隊は出動頻度が圧倒的に少ない。
つまり、それだけ市民との交流が少ないということです。
細かい話をすれば、自衛隊もイベントなどを実施することがあるため、災害派遣以外でも市民と接しますが、イベントとなると、消防・警察の方が高い頻度で行っています。

市民との距離感

消防・警察>>>>>>>>>>>>>自衛隊

消防士の視点から警察・自衛隊との違い9点を考察!【公安系公務員】まとめ

同じ公安系の公務員でも、運営媒体の違いにより、スケールの違いが大きいことがよくわかりました。
もちろん、仕事の役割が異なるので、それぞれの職種で市民から求められるものが異なります。
これから消防や警察、自衛隊を目指す人は自分の考えに合う職種を選べるといいですね。
公安系の職種が輝くときというのは、誰かが不幸になった時です。
できれば、公安系の職種が輝くことのない平和な日常が続くことが、一番幸せなことです。

今後も、新しい情報が入り次第、レポートを更新していきます。

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