インターネットで消防士のことを調べていると、サイトによって書いてあることが違って困っています。
確かに、インターネットの消防士に関する情報は信頼性が低く、どの情報を信じるべきかあなたの判断力が必要になってきます。
こんにちは、TEAM WEBRIDです。消防士の世界を知れば知るほど、ネット情報に偽りが多いことが浮き彫りになってきます。そこで、今回の記事では、消防士に関係したサイトについて考察していきます。
今回の記事も、現役消防職員や、消防職員OBからの取材をもとにレポートしたいと思います。この記事を読むことで、信頼してよいサイトや信頼すべきではないサイトの判断力がつきます。それではレポートします。
信頼できる消防ブログの選び方:就職を斡旋する消防士情報サイト
まず、「消防士」と検索して目に付くのが、就職を斡旋する職業サイトです。
などの、一度は名前を聞いたことがあるような就職をあっせんする企業が作成したサイトです。内容が間違っている、または誤解を生むような表現が多く、不適切だと言わざるをえません。消防関係者から見ると、疑問を感じることがたくさんあります。具体的にいうと、次のような説明です。
信頼できる消防ブログの選び方:就職を斡旋する消防士情報サイトの疑問点:交代勤務について
「当番」⇒「非番」⇒「休み」を繰り返すという表現を使います。これは不適切。なぜなら、この勤務体制は3交代制勤務の場合です。消防の世界は2交代制勤務の本部も多く存在します。とある地方の県などは、県内全本部が2交代制です。
信頼できる消防ブログの選び方:就職を斡旋する消防士情報サイトの疑問点:レスキュー隊について
入隊試験があり、レスキュー隊であるためには年齢制限があると書いてあります。こんなのはごく一部の消防本部だけです。一般的な消防本部では部署異動次第でレスキュー隊にもなるし、50代でレスキュー服を着ている消防隊員もいます。
信頼できる消防ブログの選び方:就職を斡旋する消防士情報サイトの疑問点:髪型について
公務員なので、さわやかで、誰にでも清潔感を与えやすいという理由から短髪であると書いてあります。これは間違い、雰囲気で記載されているだけですね。答えは、空気呼吸器の面体を着装した際に、髪が長いと気密性が取れないからです。
信頼できる消防ブログの選び方:就職を斡旋する消防士情報サイトの疑問点:異動について
『管轄の地域外への転勤はありませんが、各都道府県の消防学校へ出向する場合があります』と書いてあります。言葉足らずです。異動は、管轄内と消防学校だけではありません。
総務省消防庁へ2年間の出向があったり、危険物技術保安協会(KHK)への2年間の出向があったり、全国消防長会への出向があったりと、さまざまな関係機関への出向や異動があります。規模の大きい消防本部ほど、異動先の種類が多くなります。
このように、就職や転職を業務としているような企業サイトは、情報量が不足しており、信頼性が非常に低いということです。
信頼できる消防ブログの選び方:正しい情報を知るための方法
本物の消防士から見れば、違うことは違うとわかるため迷惑を被ることはありませんが、これから消防士を目指そうとしている若者には大迷惑です。そこで解決策。わからないことや不安なことは、直接、自分が志望している消防本部に電話をして確認しましょう。
消防本部の人事担当は、一般的には総務関係の部署に属しています。消防本部の代表番号か、総務関係の部署の直通番号にかけてみましょう。志望する消防本部のホームページを見れば、どこの消防本部も代表番号と部署ごとの電話番号を掲載しています。こちらの記事で、全国の消防本部のホームページを掲載しています。
消防本部の場合、本部によって総務課・消防総務課・消防企画総務課など所属名がまちまちですが、だいたい“総務”というワードが所属名に入っています。業務の妨げにならないように、要点を簡潔にまとめて、建設的に質問しましょう。電話先の消防士も人間です、丁寧に聞けば、丁寧に教えてくれます。
参考に、電話で質問する際の言葉回しを記載します。
はい、〇〇市消防局です。
お忙しいところすいません。
〇〇市消防局への就職を志望している者なのですが、質問がありまして電話させていただきました。
人事の御担当者の方におつなぎいただけますでしょうか?
はい、少々お待ちください。
はい、お願いします。
はい、〇〇市消防局 消防企画総務課 △△です。
お忙しいところすいません。
〇〇市消防局への就職を志望している者なのですが、質問がありまして電話させていただきました。
インターネットの情報によると、◇◇について、◆◆◆という情報と、●●●という情報の2種類を見かけるのですが、〇〇市消防局ではどのような制度になっていますでしょうか?
あー、そうですね、◇◇については、消防本部によって、仕組みが異なります。
当消防局においては・・・・・・・・・・・・。
わかりました、理解できました。
お忙しい中、ありがとうございました。
はい、採用試験の勉強、頑張ってください。
はい、それでは、失礼します。
はい、失礼します。
電話をプチッ。という感じで会話を進めれば大丈夫です。不安が解消できほうが、採用試験勉強もはかどると思います。仕事の邪魔にならないことを最優先で考えたうえで、思い切って質問してみてください。
信頼できる消防ブログの選び方:元消防士・現役消防士が作成した情報サイト
次に紹介するのは、「元消防士・現役消防士だ」と名乗り、消防に関係した情報を掲載しているサイト。もちろん、中には、偽物の元消防士・現役消防士も存在します。
信頼できる消防ブログの選び方:元消防士・現役消防士が作成した情報サイトのパターン①偽物の元消防士・現役消防士
ネット情報やただの噂、都市伝説のようなものをあたかも自分が経験したかのように話しているだけの偽物です。偽物の元消防士・現役消防士が、間違った情報を平気で流すことで、一般市民の誤解を招いています。一般人からすると見極めは難しいでしょう。
現役消防士から見ると、違和感だらけのようです。元消防士・現役消防士である証拠が見つからないようなサイトは信じないでください。
信頼できる消防ブログの選び方:元消防士・現役消防士が作成した情報サイトのパターン②本物の元消防士・現役消防士
本物の元消防士・現役消防士だけに情報の正確性は高いものの、話の内容に偏見が偏っている傾向にあります。その理由は、ブログやyoutubeで情報発信している元消防士・現役消防士は、年齢が若く、経験年数が浅いということ。
“元消防士・現役消防士“という肩書きをもって話の信頼性を高めようとしているものの、若いうちに感じたことしか表現できていません。なぜなら、どんな職業でも、若いうちはみんな苦労するものです。
苦労を乗り越えてこそ見える世界、価値観の変化があります。特に消防の世界は、階級が変わり、立場が変わり、役職が変わります。その変化後の世界は見ないまま、組織の末端しか知らずに辞めた人や、そういった世界を未経験の人たちです。
この主張の裏付けとして、元消防士・現役消防士たちの発信する情報には、消防の組織批判の内容が多いことが理解できるはずです。ブラック企業だとか、待遇が悪いだとか、批判的な内容を見かけたことがあるはずです。消防人生は、長い人(現役高卒)で42年あります。現在の再任用制度も考慮すると、47年です。現役大卒の人でも現役を38年過ごします。再任用制度も合わすと43年。この長い消防人生を、たかが数年勤めただけの若者たちが、
『消防の世界はあーだこーだ』
とSNSやブログなどを利用して話していることに、嫌悪感を抱いている現役消防士は少なくありません。また、「このような時はこうだ!」と言い切っている情報も信じない方がベターです。というのも、消防士の世界は、本部が変われば全くの別世界です。
文化が全く違います。とある本部では当たり前のことが、別の本部では超イレギュラーなこともあります。そのため、「私がいた消防本部では、このような時はこうでしたよ!」と記載しているサイトはまだ親切です。
消防情報|信頼できる消防ブログの選び方のまとめ
消防関係の情報サイトについて考察しました。考察結果は次のとおりです。
〇就職を斡旋する職業サイト
・誤解を招く表現が多く、信頼性が低い
〇元消防士・現役消防士が運営するサイト
・本物か偽物か見極める必要がある
・40年程度ある消防士人生をたった数年の経験による価値観でしか語れていない
正しい情報を掴むためにはどうしたらいいか?それは、自分が就職を希望する消防本部に直接電話で聞くことです。消防士の人たちの業務の妨げにならないように、要点をまとめておき簡潔に質問しましょう。
なお、東京消防庁に特化した情報サイトでは、東京消防庁の試験対策塾(通称:東消塾)というサイトが存在しています。こちらのサイトは本物の元消防士の方が運営されており信頼性が高いと判断できます。東京消防庁狙いの方はぜひご覧ください。↓↓↓
今後も、新しい情報が入り次第、レポートを更新していきます。
この記事を読まれた方で、さらに詳しく知りたいことがあれば追跡調査しますので、コメントか問い合わせフォーム、またはTwitterにてご質問ください。
また、消防関係者の方で、うちの本部ではこうなってるよ、それは違うんじゃない?などのご意見をいただける際も、コメントか問い合わせフォーム、またはTwitterにてご連絡いただけると助かります。
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