こんにちは、TEAM WEBRIDです。
今回の記事のテーマは、今流行りのDXについて。
もちろん、消防行政に関係したDXです。
DXとは、デジタルトランスフォーメーションのことで、Digital Transformationの略語です。
デジタル技術を用いることで、生活やビジネスが変容していくことを意味しています。
つまり、消防行政にデジタル技術を用いることで、市民に対する消防サービスを有益に変化させるというもの。
ちなみに、どうしてDTじゃなくDXなのかというと、英語圏において「Trans」を「X」と書く慣習があるからです。
DXは、もちろん消防に特化したものではなく、政府が様々な分野で取り組んでいます。
具体的にいうと、政府は地方が抱える課題をデジタル実装を通じて解決し、全ての人がデジタル化のメリットを享受できる心豊かな暮らしを実現することを目指す「デジタル田園都市国家構想」を推進しています。
総務省においても、この構想を推進するため、「総務省デジタル田園都市国家構想推進本部」を設置し、本格的に取り組んでいます。
このような背景を踏まえて、この記事では消防行政に関係ある5つのDXについて説明します。
今回も現役消防士や消防職員OBへの取材をもとにレポートします。
この記事を読むことで、消防行政に関係したDXの推進取り組みを5つ理解することができます。
それでは、レポートします。
火災予防分野における各種手続の電子申請等の推進に要する経費
まず1つ目のDXは、火災予防分野における各種手続の電子申請等の推進です。
消防署って、関係のある人にとっては、意外と出向く機会が多いのです。
というのも、次のような書類の申請があるから。
これらはほんの一部。
現在は、消防署に出向いて、これらの書類を提出しています。
このやりとりにDXを取り入れるというのは、具体的には電子申請をできるようにするということ。
全国の消防本部は、政府のマイナポータル・ぴったりサービスを活用した電子申請の導入について、令和4年度中に電子申請等の受付を開始できるように取り組んでいます。
導入に当たっては、消防庁が取りまとめた次の通知を参考にしています。
消防本部等においては、マイナポータル・ぴったりサービスを活用した電子申請等を受け付けるためにそれなりの費用が必要となります。
しかし、この部分については、政府の方が金銭的な援助をしてくれます。
具体的には、DXに取りかかる消防本部に、地方交付税措置を講ずるという意味ですが。
消防署にわざわざ行かなくてよくなるので、市民にとってはDXのおかげで、今まで必要であった労力や時間の削減ができるというわけ。
これがDXによりデジタル化のメリットを享受でき、心豊かな暮らしを実現することにつながります。
「消防庁被害情報収集・共有システム(仮称)」の整備
2つ目のDXは、「消防庁被害情報収集・共有システム(仮称)」の整備です。
このシステムは何かというと、災害時の被害報告に係る都道府県の事務負担を軽減し、効果的な救助部隊の展開など、より迅速・的確な災害応急対策を推進するためのものです。
現在は、消防本部➡市町村➡都道府県と災害情報が報告されていき、最終的には都道府県からメール等により政府へ災害情報が届いています。
これは、大きなただでさえ忙しい時に無駄な労力が発生するし、報告時の情報間違いも起きてしまうかもしれないし、非効率です。
この報告の手間を省略するため、政府(総務省消防庁)が人的・住家被害等の情報を自動収集・自動集計する「消防庁被害情報収集・共有システム(仮称)」を整備しています。
このシステムは、令和5年度から運用開始することを目標としています。
この「消防庁被害情報収集・共有システム(仮称)」がまともに運用できるようにするには、都道府県の防災情報システムの改修が必要となります。
つまり、都道府県はお金が必要になるということ。
そこで、都道府県の防災情報システムの改修についても、政府が金銭的な援助をしてくれます。
政府は、令和4年度中の改修を目標に掲げています。
消防訓練における DX の推進
3つ目のDXの推進は、消防訓練です。
ここでいう消防訓練とは、一般市民の消防訓練ではなく、消防職員が行う方の消防訓練です。
DXの推進により、次のような消防訓練の高度化を図ることができます。
マイナンバーカードを活用した医療機関との情報連携による救急業務の迅速化
4つ目のDXの推進は、マイナンバーカードを活用した医療機関との情報連携による救急業務の迅速化です。
具体的には、救急現場に到着した救急隊が、患者のマイナンバーカードから様々な情報を入手できるようになることです。
マイナンバーカードを活用し、救急隊が保有する端末で傷病者情報の閲覧を可能とすることで、より迅速・円滑な救急活動が可能となる環境を構築しようとするものです。
まずは、複数の消防本部で実証実験を行います。
というのも、このDXの推進は、消防行政の努力だけではうまくいきません。
なぜなら、みなさんご存じのとおり、マイナンバーカードの普及がきっちり進んでいないから。
今後も継続的に、複数の視点から検討が必要です。
危険物取扱者保安講習等のオンライン化
最後、5つ目のDXの推進の取り組みは、危険物取扱者保安講習等のオンライン化です。
危険物保安講習というのは、危険物の免状を持っている人が受講する必要のある講習です。
継続的に、危険物の貯蔵・取扱作業に従事していると3年に1回受講する義務があります。
危険物取扱者保安講習のオンライン化について、次の2つの大きな理由でDXの推進が検討されています。
危険物保安講習の実施主体は都道府県。
つまり、都道府県は講習の実施について、オンライン化を積極的に検討していきます。
他には、防火管理再講習及び防火・防災管理再講習についても同様の考えが必要です。
現在、防火管理再講習及び防火・防災管理再講習については、登録講習機関においてオンライン講習が実施されています。
しかし、再講習のみのことであり、新規講習はまだオンライン化に至っていません。
今後、都道府県知事並びに消防本部及び消防署を置く市町村の消防長は、防火管理講習の新規講習について、オンライン化を積極的に検討します。
また、都道府県知事は、消防設備士講習についても同様に検討していきます。
令和4年度最新|消防分野のDXの推進取り組み5つのまとめ
令和4年現在、最新の消防分野のDXの推進取り組みについて、5つの項目を紹介しました。
まとめると、次のとおり。
消防行政においても、DXの推進により多くのサービス向上が見込めることがよくわかりました。
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