こんにちは、TEAM WEBRIDです。今回のテーマは加湿器。寒い時期は空気が乾燥し、肌が荒れたりのどが痛くなったりとやっかいな時期です。そこで役立つのが加湿器です。
蒸気を出すことが主な役割なので、炎が出る石油ストーブなどに比べると安全なイメージがありますが、実際には火災につながる事故が発生しています。今回の記事も、現役消防士や消防職員OBへの取材をもとに説明します。
この記事を読むことで、加湿器に潜むリスクが理解できます。それではレポートします。
消防士に学ぶ加湿器のリスク|まずは加湿器を知ろう!加湿器の4つの種類

加湿器の火災危険を知る前に、まずは加湿器の種類を把握しましょう。加湿器には次の4種類が存在します。
加湿器のタイプを理解した上で、さっそくどのような事故が起きているのか見ていきましょう。
消防士に学ぶ加湿器のリスク|加湿器の内部から炎が!?

まずは、加湿器の内部から炎があがり火災に至った事例の紹介です。この事例は、①~④すべての加湿器に起こりうる事例です。
ある加湿器の電源を入れたところ、加湿器の内部部品を焼損する火災が発生しました。
使用者は加湿器の汚れが気になり、本体ごと水で丸洗いしました。そのため、本体内部に水が侵入してしまいました。水は電気を通す性質があります。そのため、電源基板が浸水により短絡(通常では電気が通ってはいけない場所へ電気が流れてしまうこと)し、焼損したものです。
なお、加湿器の取扱説明書には、
「加湿器を水に浸したり、丸洗いしない。底部の電気部に水が入ると、ショートや故障の原因になる。」
という注意書きがしっかり記載されています。いわゆるヒューマンエラーです。使い方というより、メンテナンス方法を誤ったことによる火災事故です。この事故から学べることは何でしょうか。
加湿器は電気製品です。基盤や電源部分などは、水をかけると事故につながるおそれがあるのは、加湿器に限ったことではありません。使用方法や取扱説明書・本体表示をよく読めばわかることですが、なかなか読まないのが普通ですよね。
とりあえず、電気製品には基本的に水をかけてはダメだと覚えておいてください。もちろん、防水製品の場合は別です。防水製品じゃないのに、どうしても水で洗わないといけない状況になった場合は、説明書をよく読んでください。
どのように乾燥すれば、内部の水が抜けやすいかといったことが記載されていることがあります。ここぞとばかりに、ふだんは読まない説明書をじっくり読みましょう、火災にならないためにも。
消防士に学ぶ加湿器のリスク|加湿器を使用中に火傷事故発生!?

次は、①のスチーム式加湿器にみられる事故です。おさらいになりますが、スチーム式とは、ヒーターにより水を加熱してお湯を沸かすタイプの加湿器です。事故の内容はこれ。
加湿器を使用中に、赤ちゃんが加湿器の蒸気吹き出し口で、火傷を負ったというもの。
原因ははっきりしています。親の責任ですね。親が、加湿器を幼児の手の届くところで使用していたことが原因です。保護者が目を離した際に、幼児が蒸気口に触れて火傷を負っています。もちろん、取扱説明書や本体の蒸気吹き出し口には、次のような注意書きが書かれています。
しかし、幼児は字が読めません。親の管理不足が原因です。繰り返しますが、スチーム式の加湿器では、蒸気の出口からは高温の蒸気が出ています。触れるとやけどのおそれがあります。
幼児などは煙に興味を持って手を伸ばしたりするので、幼児の手の届かない場所で使用しましょう。
言葉がわかるようになったら、蒸気の危険についてしっかり言い聞かせてください。
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消防士に学ぶ加湿器のリスク|加湿器のコンセントから火災発生!?

最後は、①~④のすべてのタイプの加湿器に発生の可能性がある事故事例です。ただ、厳密に言うと電池式の場合は対象外ですね、コンセントから電源をとるタイプ限定のリスクです。加湿器を使用中、加湿器の電源プラグ部とその周辺を焼損する火災が発生しました。原因はこれ。
加湿器の電源プラグに強い外力が加わったことで、コンセントに刺す部分がポッキリ折れてしまいました。折れたことで火花が発生し、電源プラグの樹脂部が火災になったものです。もちろん、取扱説明書には次のような注意書きが。
この火災を防ぐには、説明書に書かれている注意事項を守るのみ。次のことに気をつけて加湿器を使用してください。また、この注意事項は加湿器に限ったことではなく、電源を必要とする電気製品すべてに影響します。
消防士に学ぶ加湿器のリスク|番外編:二次災害も防ごう

①のスチーム式加湿器は、USBケーブルで電源がとれる小型の卓上タイプも存在します。机の上には、さまざまな電化製品が存在します。加湿器と電化製品の距離が近すぎると、加湿器の蒸気が近くの電化製品の中に浸透します。
すると、どうでしょう。
水洗いしたわけではないのに、電化製品の基盤などが水にぬれた状態となり、短絡が起きて火災になる可能性が高まります。定期的な換気を行ったり、加湿器のそばには電化製品を近づけすぎないといった対策をとったりすることで、加湿器による二次災害も防ぎましょう。
消防士に学ぶ|加湿器に潜む火災危険のまとめ

加湿器に潜む危険性についてレポートしました。まとめると、次のとおり。
電化製品すべてに言えることですが、水が電気を通すため浸水すると火災につながりやすいものです。
ただし、完璧に乾燥さえすれば、通電しても水がないので短絡は起きません。次のことを覚えておいてください。
濡れたまま使用せず完璧に乾燥するまで通電しない!
なお、製品火災についてはこちら、独立行政法人製品評価技術基盤機構:NITEにてさらに詳しく学べます。
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