こんにちは、TEAM WEBRIDです。
今回はAEDに関係したレポートです。
AEDとは自動体外式除細動器のこと。
心臓を動かすための電気信号バランスが崩れた時に、電気ショックを与えて整え治すための医療器具です。
このAEDにニュータイプが登場しました。
その名も「オートショックAED」というもの。
今回の記事も現役消防士や消防職員OBへの取材をもとに解説します。
この記事を読むことで、オートショックAEDの知識が深まります。
それではレポートします。
既存の「ショックボタンを有するAED」と新しいAED「オートショックAED」の相違点
違いを知るためには、既存の「ショックボタンを有するAED」と「オートショックAED」の相違点を確認しましょう。
まずは、既存の「ショックボタンを有するAED」です。
一般的なAEDの流れそのものです。
現在、世間に普及しているAEDはほとんどこれ。
次に、オートショックAEDを確認します。
「オート」というキーワードが増えているだけあって、かなり簡略化されています。
オートショックAEDの場合、救助が行う作業といえば電極パッドを貼るのみです。
こんなに簡単で便利なオートショックAEDですが、何か注意点はあるのでしょうか。
確認します。
オートショックAEDの使い方に注意点はあるのか?
オートショックAEDの使用上の注意点は、多くはありませんが存在します。
例えば、救助者がAEDの使用方法を学んだものだった場合。
今までは、平成16年7月に国が示した通知に従って、全国の消防本部はAEDの使い方を一般市民に指導していました。
そのため、救助者が各種講習を既に受講した一般市民だった場合、オートショックAEDを使用する際に
ショックボタンがない!
と混乱するおそれがあります。
また、救助者等が除細動ショックの際に患者から離れることが遅れた場合、当該救助者等が放電エネルギーにより感電するおそれがあります。
いままでは、人が離れたことを確認してから、ショックボタンを押していました。
しかし、自動でショックボタンが押されるということは、周囲の人が要救助者に接触したままの状態でも除細動(電気ショック)が発動されるという意味です。
確かに危ない。
この2つの注意点を解決するための対策が実施されています。
その対策を説明します。
オートショックAED使用上の注意点等に対する対策について
この2つの注意点への対策として、情報提供を実施しています。
どのような情報提供かというと、次の3つ。
オートショックAEDの情報提供作戦①製造販売業者
製造販売業者は、ショックボタンがなくなったことと感電のリスクについて、情報提供を行うこととしています。
最終的な情報提供先は、購入者や設置者ということになります。
しかし、製造業者と、購入者や設置者の間には次のような中継が存在します。
そのため、製造業者については、販売業者や貸与業者との連携が費必要不可欠です。
販売業者や貸与業者としっかり連携することにより、購入者や設置者に対して、ショックボタンがなくなったことと感電のリスクの情報提供を行うようにしています。
オートショックAEDの情報提供作戦②オートショックAEDロゴマーク
オートショックAEDには、オートショックAEDだとわかるロゴマークが付与されています。
このようなデザイン。
製造販売業者は、販売業者又は貸与業者と連携して、設置者に対して、次のように依頼しています。
オートショックAEDの設置の際は、オートショックAEDに表示されているオートショックAEDロゴマークを救助者等が視認しやすくなるよう配慮すること
また、日常点検においても、次の点を確認するようにしています。
オートショックAEDの情報提供作戦③消防による各種講習内容の変更
平成16年7月通知により全国で実施されている、講習の内容を変更します。
講習の実施時には、さきほどの2点の注意事項の周知を徹底します。
特に、平成16年7月通知別添1~3に記載の次の項目では、この2点の周知が重要です。
参考に、先ほどから何度も登場している平成16年7月通知を抜粋して記載します。
具体的な各種講習の内容は、上記のとおり別添通知のほうに書かれています。
応急手当の普及啓発活動の推進に関する実施要綱(平成16年7月通知)
1 目的
この要綱は、市町村の消防機関の行う住民に対する応急手当の普及啓発活動について、普及講習の実施方法、応急手当指導員の認定要件等必要な事項を定め、もって住民に対する応急手当に関する正しい知識と技術の普及に資することを目的とする。
2 普及啓発活動の計画的推進
⑴消防長(消防本部を置かない市町村については、市町村長。以下同じ。)は、当該市町村の区域内における人口、救急事象等を考慮して、応急手当の普及啓発に関する計画を策定し、応急手当指導員の養成、普及啓発用資機材の配備などを図りつつ、住民に対する応急手当の普及啓発活動の計画的な推進に努めるものとする。
⑵応急手当の普及啓発活動を推進するにあたっては、消防長は、住民に対する応急手当の普及講習の開催、指導者の派遣等を行うとともに、デパート、旅館、ホテル、駅舎等多数の住民の出入りする事業所(以下「事業所」という。)又は自主防災組織その他の消防防災に関する組織(以下「防災組織等」という。)の要請に応じて、主として当該事業所の従業員又は防災組織等の構成員に対して行う応急手当の普及指導に従事する指導者の養成について配慮するものとする。
⑶都道府県知事は、市町村の消防機関の行う普及啓発活動が計画的かつ効果的に行えるよう必要な指導、助言を行うとともに、指導者の養成等に努めるものとする。
3 応急手当の普及項目
住民に対する応急手当の普及項目については、応急手当の必要性(心停止の予防等の必要性を含む。)の他、心肺蘇生法(傷病者が意識障害、呼吸停止、心停止又はこれに近い状態に陥ったとき、呼吸及び循環を補助し傷病者を救命するために行われる別添参考応急手当をいう。以下同じ。)及び大出血時の止血法を中心とする。
4 住民に対する普及講習の種類
⑴ 住民に対する標準的な講習は、次に掲げるものとし、そのカリキュラム、講習時間等については別表1、別表1の2、別表1の3及び別表2のとおりとする。
講習の種別と主な普及項目
普通救命講習Ⅰ
心肺蘇生法(主に成人を対象)、大出血時の止血法
普通救命講習Ⅱ
心肺蘇生法(主に成人を対象)、大出血
時の止血法(注)受講対象者によっては、小児、乳児、新生児に対する心肺蘇生法とする。
普通救命講習Ⅲ
心肺蘇生法(主に小児、乳児、新生児を対象)、大出血時の止血法
上級救命講習
心肺蘇生法(成人、小児、乳児、新生児を対象)、大出血時の止血法、傷病者管理法、手当の要領、搬送法
⑵ 住民に対する応急手当の導入講習である「救命入門コース」の主な普及項目は、胸骨圧迫及びAEDの取扱いとする。また、そのカリキュラム、講習時間等については別表3及び別表3の2のとおりとする。
5 修了証等の交付等
⑴ 消防長は、応急手当指導員が指導する普通救命講習又は上級救命講習を修了した者に対し、それぞれの講習に対応した別記様式1、別記様式1の2、別記様式1の3又は別記様式3に定める修了証を交付するものとする。
⑵ 消防長は、応急手当普及員から申請があった場合は、当該応急手当普及員が指導する普通救命講習を修了した者に対し、それぞれの講習に対応した別記様式2、別記様式2の2又は別記様式2の3に定める修了証を交付することができるものとする。
⑶ 消防長は、修了証を交付したときは、交付を受けた者の氏名及び交付年月日等を記録しておかなければならない。なお、消防長が必要と認めて再交付をした場合においても同様とする。
⑷ 消防長は、応急手当指導員や応急手当普及員(申請があった場合)が指導する救命入門コースに参加した者に対し、別記様式4に定める参加証を交付することができるものとする。
6 応急手当指導員の認定等
⑴ 消防機関の行う普通救命講習又は上級救命講習の指導(住民の要請に応じて消防機関が指導者を派遣し、普及指導する場合を含む。)については、応急手当指導員がこれにあたるものとする。
⑵ 応急手当指導員は、次の各号のいずれかに該当する者のうちから適任と認められる者について、消防長が認定する。
Ⅰ 次のア又はイに該当する者で別表4に定める応急手当指導員講習Ⅰを修了した者。ただし、アに該当する者で、応急手当指導員の資格認定を行う時点において、過去1 年間に30 時間以上の応急手当の普及啓発活動に従事していると認める者については、応急手当指導員講習Ⅰを免除することができる。
ア 救急救命士又は救急隊員の資格を有する者
イ 消防機関在職中に救急隊員の資格を有していた者
Ⅱ 前号以外の消防職員(応急手当の普及業務に関し、消防職員と同等以上の知識及び技能を有すると消防長が認める消防団員を含む。)又は消防職員であった者で別表5に定める応急手当指導員講習Ⅱを修了した者
Ⅲ 応急手当普及員の資格を有する者で別表6に定める応急手当指導員講習Ⅲを修
了した者
Ⅳ 応急手当の普及業務に関し、前各号に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有
すると消防長が認める者
7 応急手当指導員の養成
⑴ 消防本部、都道府県(消防学校を含む。)及び消防庁長官が別に指定するものは、応急手当指導員の養成に努めるものとする。
⑵ 応急手当指導員養成講習を実施した機関の長は、当該講習の修了者が所属する消防本部(修了者が消防職員以外の者であるときは、当該修了者の住所地を管轄する消防本部)の消防長に対して、当該講習を修了した旨を通知するものとする。
8 応急手当指導員養成講習の講師
応急手当指導員養成講習の講師については、努めて医師、看護師、救急救命士又は応急手当指導員の資格を有する者で応急手当の指導に関して高度な技能と十分な経験を有するものをあてるものとする。
9 応急手当指導員の認定証の交付
消防長は、応急手当指導員として認定したときは、別記様式5の応急手当指導員名簿に登録したのち、別記様式6の認定証を交付するものとする。なお、消防長が必要と認めて再交付をした場合においても同様とする。
10 応急手当指導員の資格の有効期限
応急手当指導員の認定(前掲6(2)Ⅳに定める者に関するものを除く。)については、資格認定日から 3 年(資格認定時に消防機関に在職していた者については、消防機関を退職した日から3 年)で失効するものとする。ただし、失効前に別表7に定める応急手当指導員再講習を受講した者についてはさらに3年間有効とし、それ以降も同様とする。
11 応急手当普及員の認定等
⑴ 応急手当普及員は、主として事業所又は防災組織等において当該事業所の従業員又は防災組織等の構成員に対して行う普通救命講習の指導に従事するものとする。⑵ 応急手当普及員については、次の各号のいずれかに該当する者のうちから適任と認める者について、消防長が認定する。
Ⅰ 別表8に定める応急手当普及員講習Ⅰを修了した者
Ⅱ 次のアからウのいずれかに該当する者で別表9に定める応急手当普及員講習Ⅱを修了した者。ただし、ア又はイに該当する者で、過去 2 年以内に消防機関に在職していた者で普及啓発の業務に従事していたと認める者については応急手当普及員講習Ⅱを免除することができる。
ア 救急救命士の資格を有する者
イ 消防機関在職中に応急手当指導員の資格を有していた者
ウ 消防機関在職中に救急隊員の資格を有していた者
Ⅲ 応急手当の普及業務に関し、前各号に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有
すると消防長が認める者
⑶ 現に教員職にある者に対する応急手当普及員講習については、講習の質を確保するものであれば、講習時間を短縮し実施することも可能とする。
12 応急手当普及員の養成
⑴ 応急手当普及員の養成は、消防本部が行うものとする。
⑵ 前掲8は、応急手当普及員養成講習について準用する。
13 応急手当普及員の認定証の交付
消防長は、応急手当普及員として認定したときは、別記様式7の応急手当普及員名簿に登録したのち、別記様式8の認定証を交付するものとする。なお、消防長が必要と認めて再交付をした場合においても同様とする。
14 応急手当普及員の資格の有効期限
応急手当普及員の認定(前掲 11(2)Ⅲに定める者に関するものを除く。)については、資格認定日から 3 年で失効するものとする。ただし、失効前に別表10に定める応急手当普及員再講習を受講した者についてはさらに3年間有効とし、それ以降も同様とする。
15 他の地域で取得した者の扱いについて
他の地域で応急手当普及員又は応急手当指導員を取得した者の取り扱いについては、認定を受けた講習が消防庁の実施要綱に基づく講習であれば、他の地域で認定を受けている者についても、当該消防本部が認定したものとみなすことができる。
16 認定の取り消し
消防長は、応急手当指導員及び応急手当普及員(以下「応急手当指導員等」という。)が応急手当指導員等としてふさわしくない行為を行ったときは、認定を取り消すことができる。
17 応急手当指導員等の責務
⑴ 応急手当指導員等は、住民に対する普及講習が計画的かつ効果的に行えるよう、応急手当に関する知識、技術及び指導方法等について常に研鑚に努めるものとする。
⑵ 消防長は、応急手当指導員等に対し、応急手当の知識・技術の維持及び救急医療の進歩にあわせた応急手当の普及指導に十分に対応できるよう、適宜再教育を行うよう配慮するものとする。
⑶ 消防長は、事業所又は防災組織等が応急手当の講習を行う場合に、応急手当普及員に対し講習内容、講習方法等について必要な助言を与え、当該講習が適正に行われるよう指導するものとする。
18 普及啓発用資機材の整備
消防長は、当該市町村の実情に応じ応急手当の普及啓発活動に必要な蘇生訓練用人形、訓練用自動体外式除細動器、指導用ビデオ等普及啓発用資機材の計画的な整備に努めるものとする。
19 感染防止上の配慮
消防長は、住民に対する応急手当の普及講習の実施にあたっては、応急手当を行う場合に係る感染防止上の留意事項についても指導を行うものとする。また、心肺蘇生法の実技実習を行う場合には、蘇生訓練用人形の消毒、滅菌等の措置を行うものとする。
20 関係機関との連携
消防長は、住民に対する応急手当の普及啓発活動を効果的に行えるよう、応急手当の普及業務を実施している他の関係機関との連携協力に努めるものとする。
【オートショックAEDの使い方】メリットはこれ!【ロゴマークで感電を防ぐ】のまとめ
オートショックAEDについてレポートしました。
まとめると次のとおり。
多少のリスクはあるものの、オートショックAEDの普及で助かる命は増えます。
なぜなら今後は、いままであった悲惨なケース、
このようなケースが減少されるからです。
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