こんにちは、TEAM WEBRIDです。
感染予防でマスクをしていると、熱中昇になりやすいって本当?
この記事では、消防士から見た熱中症対策や、コロナ禍での注意点などをレポートします。
この記事を読むことで、熱中症対策に関係した情報や、消防本部の取り組みなどが理解することができます。
今回の記事も、現役消防士や、消防職員OBへの取材をもとに解説します。
熱中症ってそもそもどんな病気?
熱中症というのは、温度や湿度が高い中で、
といったことから引き起こされる障害の総称です。
熱中症になると、
など、様々な症状が見られます。
年齢や基礎疾患に関係なく、死に至るおそれもある怖い病態です。
一般的に起こりやすいのは、指先のしびれではないでしょうか?
指先がビリビリしだすと、熱中症のサインです。
熱中症が起こる原因と予防対策を教えて!
熱中症は、
の3つの要素が影響して引き起こされます。
からだとは、体調や年齢、環境とは気温や湿度、行動とは活動強度、持続時間、休憩等のことです。
消防隊が、重く風通しの悪い防火服を着て、火災現場で真夏に活動することは、熱中症になりやすいすべての要素において、最悪の環境です。
熱中症予防においては、年齢、持病等の個人のリスクに応じて、気象条件を踏まえながら適切な予防行動をとることが重要です。
具体的には、
ことなどが挙げられます。
特に高齢者や子どもは熱中症になりやすいとされています。
その理由は次のとおりです。
子どもは熱中症になりやすい
まず子供。
特に10才未満の子供について。
10才未満の子供は、汗腺が発達しきっておらず、成人の40パーセント程度しか機能していません。
そのため、発汗作業による体温コントロールが難しく、熱中症になりやすいのです。
老人も熱中症になりやすい
次は、老人。
特に65才以上の老人について。
年齢を重ねることで、のどの渇きを感じる機能が低下し、日常的に体内水分量が減少しています。
年を取ると、意識的に水分を補給しないといけないと言われるのもそのためです。
さらに汗腺機能の低下も加わり、体にたまった熱を放出しなくなります。
二つの相乗効果により、熱中症が重症化し、死に至るケースが多くなります。
もしも身近で熱中症のような症状が現れたら?
熱中症を疑った場合は、
ことなどが重要であるとされています。
疑いだけの段階では、救急車を呼ぶことは適切ではありません。
しかし、重症化を見逃さないという観点から、
このような場合には、ためらわず救急車を要請をする必要があります。
熱中症においては、
さっきまでは元気だったから救急車を呼ぶほどでは・・・
という考えが起きやすく、重症化させてしまうことがあります。
なぜかというと、熱中症は先ほども言ったように、からだ、環境、行動の3要素が影響します。
スポーツ時というのは、からだは元気で、行動も激しい運動が可能な状態です。
熱中症に関する知識が浅い人しか周囲にいない場合、
さっきまであんなに元気に動き回っていたのだから、少し休めば大丈夫だよ
と重症化へのサインを見逃す可能性があります。
繰り返しますが、
このような場合には、ためらわず救急車を要請してください。
全国の消防本部の熱中症への対応は?
では、全国の消防本部は、熱中症への対応として、どのような対策を行っているのでしょうか?
実は、熱中症による救急搬送者数を総務省消防庁へ報告しています。
というのも、平成19年8月、
において最高気温40.9℃が記録されました。
熱中症に対する社会的関心が高まったことで、国を挙げて熱中症予防対策を行う需要が高まりました。
そこで、平成20年度から、総務省消防庁が全国の消防本部に対し、熱中症による救急搬送人員の調査を実施しています。
この調査は、熱中症の救急搬送人員が増加する5月から9月を調査時期としています。
調査結果は、週ごとに速報値を、月ごとに確定値をホームページ上に公表しています。
熱中症による救急搬送人員の調査を行うことで、全国の熱中症による救急搬送の実態を明らかにすることができます。
熱中症の実態を
に情報提供することにより、次のような効果が得られます。
総務省消防庁の熱中症予防への取り組みは?
総務省消防庁は熱中症の予防を目的として、次のようなコンテンツを消防庁ホームページの熱中症情報サイトにおいて提供しています。
参照URL:https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/
熱中症予防啓発ポスター
をまとめています。
予防啓発ビデオ
熱中症予防のポイント等を動画で説明しています。
予防啓発イラスト
消防キャラクター「消太」を活用して熱中症予防を呼び掛けています。
予防広報メッセージ
消防車両等での広報時に使うメッセージを紹介しています。
「熱中症対策リーフレット」
熱中症の予防法や対処法のポイントを記載したリーフレットを作成しています。
熱中症予防啓発取組事例集の発行
消防機関や地方公共団体の熱中症予防に係る取組をまとめた事例集を発行しています。
訪日外国人のための救急車利用ガイド
訪日外国人を対象とした、
を掲載した救急車利用ガイドを発行しています。
これらの多くのコンテンツについて、全国の消防本部や、関係団体に活用を促しています。
その他にも、総務省消防庁のツイッター(リンク)で、
についての呼び掛けを行っています。
熱中症予防強化月間
熱中症に関する取組として、熱中症対策に関係する省庁で構成する「熱中症関係省庁連絡会議」が設置されています。
この会議は、熱中症対策に関係している各種省庁の連携により、効果的な施策ができることを目的としています。
また、熱中症に関する普及啓発等の効果をより一層高いものにするため、熱中症による救急搬送人員や死亡者数が急増する7月を「熱中症予防強化月間」と定めています。
日本の各地で連日の猛暑日を記録した年などは、「熱中症関係省庁連絡会議」において、熱中症予防強化月間を8月31日まで延長することもあります。
外国人のための熱中症予防普及啓発リーフレット
が合同で、
などを記載した、「外国人のための熱中症予防普及啓発リーフレット」を作成しています。
総務省消防庁では、消防庁ホームページの熱中症情報サイトに掲載し、関係団体に活用を促しています。
新型コロナウイルス対策と熱中症の関係
新型コロナウィルスの対策下では、熱中症対策として例年よりもさらに注意することがあります。
ポイントは、次の2点です。
それぞれみてみましょう。
マスクの着用
例年だと、夏場はインフルエンザウイルスも落ち着き、また、暑いという理由からマスク使用者は減少します。
しかし、新型コロナウィルスの影響で、夏でもマスクの着用が常態化しています。
実は、マスクを着用することで、身体に熱がこもりやすくなり、体温が上がることにつながります。
また、口まわりの湿度が保たれることにより、のどの渇きに気づきにくくなってしまいます。
外出自粛
外出自粛により、家庭にいる時間が増え、筋肉量が低下してしまいます。
人間の体は、筋肉量が低下すると、水分を蓄える機能の低下につながり、脱水状態になりやすくなります。
また、出歩かないため、汗をかく機会が少なく、暑さに慣れていない状態が長くなります。
つまり、マスクの着用と外出自粛により、
という要素が集まり、熱中症を引き起こしやすい状態となります。
では、屋外ではどうでしょうか?
気温・湿度の高い中でのマスク着用は要注意
屋外の場合、直射日光などの悪環境により、熱中症になりやすい状態はさらに大きなものとなります。
屋外で人と十分な距離、具体的には2m以上を確保できる場合は、マスクをはずしましょう。
マスク着用時は、負荷のかかる作業や運動を避け、人との距離を十分とってください。
人との距離を十分とったうえで、マスクをはずして休憩をすることが熱中症予防につながります。
【市民向け】消防士から見た熱中症対策への備えとは?【コロナ対策】のまとめ
消防士から見た熱中症対策への備えについてレポートしました。
伝えたかったことは次のとおり。
熱中症は条件がそろえば、誰にでも起こりうることです。
自分は若いし元気だから大丈夫という過信は命取りになります。
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