消防士と英語についてこの記事を読んだらわかること
国内の外国人は年々増えており、119番通報を受ける通信指令センター業務や、救急現場などで外国人と接する機会は増えています。
消防士の世界は、英語能力の高い人が決して多い職場ではありません。
むしろ、英会話ができる人はほとんどいないといっても間違いではありません。
今回の記事では、消防士による外国人への対応についてどのような方法を使っているのかをレポートします。
消防士になるには、英語能力も高くないとなれないの?
という不安も出てきそうですね。
今回も、現役消防士や、消防職員OBの方々からの調査結果をもとにレポートします。
この記事を読むことで、消防士が、外国人と接するときに、どのような工夫をしているのかが理解できます。
消防士と英語:多言語音声翻訳アプリ「救急ボイストラ」
多言語音声翻訳アプリを利用することにより、救急現場で、救急隊員が外国人傷病者に対して、円滑なコミュニケーションを図ることが可能となります。
消防庁消防研究センターとNICTが、救急隊用に開発した多言語音声翻訳アプリ「救急ボイストラ」は、使用頻度が高い会話内容を「定型文」として登録していて、外国語による音声と画面の文字によりコミュニケーションを行うアプリです。
両者において利用可能となっています。
救急ボイストラは、全国の消防本部に対して平成29年4月から提供を開始しています。
平成30年12月31日では、728本部中376本部(51.6%)が導入しています。
利用料は無料です。
救急隊用46の定型文、対応言語は15種類あります。
話した言葉が日本語文字として表記されます。
つまり、聴覚障害者とのコミュニケーションにも活用可能となっています。
2017年4月21日(金)から各消防本部への提供が開始され、Androidを搭載した通信可能なスマートフォンやタブレットからダウンロードが可能となりました。
iOS 版については、少し遅れて2017年度中にダウンロードが可能になりました。
ただ、救急隊員としては、まだまだ満足のいく翻訳精度ではないようで、利用実績は少ないようです。
今後の改善に期待したいところです。
そこで役に立つものが、次に紹介する三者間同時通訳システムです。
消防士と英語:三者間同時通訳システム
外国人からの119番通報時において、電話通訳センターを仲介することで、会話を可能にするシステムです。
主要な言語において、
利用可能です。
平成の終わり頃では、300本部程度で導入されています。
全体に占める割合は、40%程度です。
令和2年までに100%の導入を目指しています。
お金がかかることなので、どこの消防本部も比較的経費がかからないように
等を利用して導入しています。
また、119番通報時だけではなく、救急現場などの現場対応時においても、電話を交互に受け渡し、電話通訳センターに通訳を依頼することができます。
【外国人への対応】消防士は英語の研修を受けたり英語力も必要なの?のまとめ
消防士の外国人対応について、2種類の方法を説明してきました。
消防士が英語を話せることに越したことはないですが、この方法なら英語が話せなくても外国人への対応はできそうです。
救急ボイストラは利用料が無料のようなので、さらに精度が上がって実用的になれば、三者間同時通訳システムにかかる経費は節約できそうですね。
また、総務省消防庁は、「情報難民ゼロプロジェクト」に取り込んでいます。
「情報難民ゼロプロジェクト」とは、読んで字のごとく、情報の入手ができない人をゼロにするプロジェクトです。
このプロジェクトの一環として、前述の「救急ボイストラ」を全国の消防本部へ提供しました。
また、外国人向けの「救急車利用者ガイド」をホームページへ掲載し、利活用を促進しています。
外国人が安心して救急サービスを受けることができるようにするためのものです。
今後、「救急ボイストラ」などのコミュニケーションツールが救急現場で活用されていくことを期待します。
今後も、新しい情報が入り次第、レポートを更新していきます。
この記事を読まれた方で、さらに詳しく知りたいことがあれば追跡調査しますので、コメントか問い合わせフォーム、またはTwitterにてご質問ください。
また、消防関係者の方で、うちの本部ではこうなってるよ、それは違うんじゃない?などのご意見をいただける際も、コメントか問い合わせフォーム、またはTwitterにてご連絡いただけると助かります。
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