現代社会において、救急車の迅速な対応は私たちの生命を守る上で不可欠です。今回は、保険証がマイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」を活用した救急搬送の実証事業に焦点を当て、その詳細と意義について掘り下げていきます。
マイナ保険証とは?
マイナ保険証は、私たちの身元情報が記載されたマイナンバーカードに保険証の機能が統合されたものです。このカード一枚で、医療機関での手続きが簡略化され、救急時の対応も迅速化が期待されます。特に、救急搬送時には、患者の身元確認と医療情報の把握がスムーズに行えるため、救命率の向上に寄与すると考えられています。
救急搬送におけるマイナ保険証の利点
救急搬送の現場では、患者の状態が刻一刻と変化します。マイナ保険証を活用することで、救急隊員は患者の基本的な健康情報に素早くアクセスでき、より適切な医療措置を取ることができます。また、病院到着前に必要な情報を事前に共有できるため、医療機関での受け入れ準備も効率化されます。
全国での実証事業と今後の展望
総務省消防庁は、2024年5月中旬から2か月程度、35都道府県の67消防本部、計660隊の救急隊を対象に、マイナ保険証を活用した救急搬送の実証事業を行います。マイナカードの普及が進み、保険証とひもづけている人が7千万人を超えたのを受けたもので、この事業を通じて、救急搬送の効率化だけでなく、患者のプライバシー保護といった課題に対する解決策も模索されています。
現在は、救急隊員が口頭で聞き取っており、本人の記憶が曖昧だったり、十分な会話ができなかったりと情報把握が難しいケースも。そこで、本人の同意を得た上で、救急隊員がマイナ保険証をカードリーダーで読み取ってタブレット端末で専用のシステムにアクセスし、患者の情報を確認します。具体的には、
などが把握でき、適切な搬送先病院を選べたり、搬送先の医師に効果的な情報を連絡できたりします。過去の実験では情報照会に本人の同意が必要としていましたが、今回は本人の意識がない場合、例外的に本人の同意なしで専用のシステムにアクセスできるよう調整しています。今後、この実証事業の結果が、日本全国での救急医療システムの改善にどのように役立つかが注目されています。2025年度中(令和7年度中)の本格運用開始を目指しています。
以下は、総務省消防庁救急企画室のコメントです。
救急企画室
正確な情報を得て迅速に搬送することは、傷病者本人にとっても救急隊にとっても負担軽減につながる!
マイナ保険証の利用状況は?
マイナカードの普及が進み、保険証とひもづけている人が7千万人を超えたものの、利用状況はというと、実際のところ普及はまだまだの状況です。厚生労働省によると、全国の利用率は依然5%を下回っています。そこで、厚生労働省は、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」の利用低迷を打開するため、2024年3月下旬にも都道府県向けオンライン説明会を開催して国の支援策などを紹介し、取り組み強化を呼び掛けます。国の支援策とは具体的にこれ。
このような国の支援策を自治体担当者に説明して、都道府県だけでなく、各市町村単位での「マイナ保険証」の利用強化を促します。
現行保険証は今年12月には廃止されます。マイナ保険証に一本化する予定です。デジタル庁によると、マイナカードの交付率は総人口の約79%。7千万人を超えた、健康保険証と紐付け登録されているマイナ保険証は約74%です。
まとめ
マイナ保険証の活用は、救急医療の現場で大きな変革をもたらす可能性を秘めています。この新しいシステムが、私たちの健康と安全を守るための重要な一歩となることを期待しています。救急車とマイナ保険証の連携により、より迅速で質の高い医療サービスの提供が可能になるでしょう。
この記事は、救急車がマイナ保険証を活用することの詳細に興味を持つ方々に向けて書いています。今後も最新の情報をお届けするために、引き続きご注目ください。
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