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【消防士に学ぶ】石油給湯器から家族を守ろう!【事故事例あり】

防災・火災予防知識

こんにちは、TEAM WEBRIDです。
今回のテーマは石油給湯器です。

石油燃料は熱エネルギーが高く、すぐに温かいお湯を供給できる素晴らしい製品ですが、不調が発生すると、どのようなリスクが生まれるのでしょうか。

今回の記事も、現役消防士や消防職員OBへの取材をもとに説明します。
この記事を読むことで、石油給湯器の危険性が理解でき、いざというときにも大事な家族の命を守ることができます。
それでは、レポートします。

古くなった石油給湯器から出火!〇〇しとけば防げたのに

最初に紹介するのは、石油給湯機付近から異音がして出火し、本体が焼損したという事例です。
この石油給湯機は約20年程度使用されたものでした。
火災になった原因というのは、本体の一部に石油燃料が溜まってしまい、たまった燃料にバーナーの炎が引火したものです。

どうして、たまるはずのない場所に、石油燃料がたまってしまったのでしょうか。
この火災事例の原因は、内部の基板が劣化して電磁弁の閉弁が遅くなったことでした。

電磁弁というのは、電気信号により、石油燃料が通る配管の出口を開けたり閉めたりする弁のことです。
内部の基盤が劣化すると、電磁弁に「弁を開けろ」「弁を閉めろ」という信号を出す機能が壊れます。
すると、弁を締めないといけない時に弁が締まらず石油燃料がこぼれてしまうわけです。
本来閉まるはずの弁が閉まらないといけない時に閉まらないことで、こぼれた燃料が本体内部にたまります。
燃料が一定の量たまってしまうと、石油給湯器のバーナーの炎により引火し、火災が発生してしまいます。

なお、この石油給湯器は、火災が発生する2~3週間前から、繰り返しエラーが生じていたようです。
また、この石油給湯器は、業者による点検も受けたことはなかったようです。

さて、どのようなことに気をつければ、この火災は防げたのでしょうか。

石油給湯器に限ったことではありませんが、長期使用による経年劣化の事故の多くは、点検を受けることで防ぐことができます。

石油給湯器のような設置工事が必要なものは、インターネット通販で買ってハイ終わりというわけにはいきません。
設置工事業者のお世話になるはずです。
石油給湯器を設置した時は、設置業者の人に、今後の点検について尋ねておいてください。
一般的には、

  • 給湯器に添付されている所有者票
  • インターネット

などによる所有者情報の登録を行うことで、点検が必要な時期には、点検の案内が届くような制度ができあがっています。
点検の案内が届いたら、きちんと点検を受けてください。

なお、現在使用している石油給湯器について、

  • 登録を行った記憶がない
  • 点検の案内が届かない

といった方は、一度業者の点検を受けるべきです。

というのも、先ほど説明した「点検の案内が届く」という制度である長期使用製品安全点検制度は平成21年4月から始まった制度です。
平成21年4月以前に製造された製品については、点検の案内は届くことはありませんので、事故防止のために定期的な点検を受けてください。

古くなった石油ふろがまから出火!〇〇しとけば防げたのに!

2つめの火災事故事例は石油ふろがまについて。
石油ふろがまの点火操作を繰り返したところ、本体から出火してしまったというものです。

原因はこれ。
石油ふろがまを長期使用したことにより着火不良が生じました。
そこで石油ふろがまは、着火不良が発生していることで、安全装置が正常に作動し、点火を防いでいました。
本来ならば、この時点で、業者に修理を依頼すべきです。
なぜなら、正常に動作しないのだから。

しかし、この使用者は、安全装置を繰り返しリセットして着火操作を行いました。
このとき、着火不良により生じた未燃焼の灯油が、本体底部にたまり始めます。
さらにリセットを繰り返し着火操作を繰り返したことで、一定量の灯油が溜まってしまいます。そこに、バーナーからの炎が引火し、火災となってしまいました。

なお、取扱説明書には、

「火災の原因となるため、安全装置が作動したときはを何度もリセットを繰り返さない。」

という注意事項が記載されていました。
また、使用者は業者による点検を受けたとき

「部品がなく修理が出来ない」

として、買い換えを勧められていました。
しかし、業者の指示に従うことはなく、使用を継続していたために火災に至ってしまいました。

では、この火災はどのようにすれば防げたのでしょうか。
答えは明白です。

  • 点検により重大な不具合が判明した
  • 異音・発煙などの異常があった
  • 繰り返しエラーになる

などの不具合が生じたりしている場合、使用を中止してください。
整備・修理を受けないまま使用を継続すると、発火などの事故に至るおそれがあります。
通常時よりも大きなリスクを抱えているということです。

整備・修理を行うか、もしくは買い替えという選択肢も視野に入れてください。

【消防士に学ぶ】石油給湯器から家族を守ろう!【事故事例あり】のまとめ

石油給湯器による火災危険についてレポートしました。
まとめると次のとおり。

  • 石油給湯器を長期間使用する場合は業者による定期的な点検がマスト
  • 平成21年4月以前の製品は点検がおろそかになりがちで特に注意が必要
  • 新しく石油給湯器を購入したら長期使用製品安全点検制度を利用しよう
  • 石油ふろがまの安全装置の作動はリセットしてはダメ
  • 石油ふろがまの不具合が出たら使用を中止し整備・修理・交換を

石油燃料は、ガス燃料のように拡散せずに、一定の箇所に溜まってしまう危険性があります。
火災を起こして大切なものを失うことがないよう、点検を定期的に行い、異常がある場合は使用中止を心がけてください。

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