ドアの上についている、緑色に光っている看板みたいなアレってどんな意味があるの?
それは”誘導灯”ですね、避難経路を示しています、詳しく説明しますね!
こんにちは、TEAM WEBRIDです。
今回の記事は、よく目にはするものの、ふだんは注目されることのない存在である”誘導灯”についてレポートします。
誘導灯という名前から、避難口に設置されていることぐらいは想像できますが、郊外型の大型ショッピングモールなどでは、どう考えても屋外へつながる出口ではない場所にも設置されています。
いったいどのようなルールで設置されているのでしょうか?
どのような効果が目的なのでしょうか?
設置基準は、もちろん消防法に基づいています。
今回の記事も、現役消防士の方や、消防職員OBへの取材をもとにレポートします。
この記事を読むことで、誘導灯に関する知識が深まれば、いざという時に大事な人を守れる可能性が高まります。
それでは、レポートします。
そもそも誘導灯とは?
誘導灯というのは、誰しも見覚えのあるはずの緑色の看板です。
誘導灯イメージ
誘導標式イメージ
誘導灯は、消防法に基づいて建物に設置されています。
建物を作るときには、事前に消防署で誘導灯をどのように設置するかといった計画書や着工届を確認して、消防法に適した設置状況になるか審査しています。
建物の完成後には、消防署から検査に行きます。
ひとことで言うと、避難経路を表示している看板です。
初めて訪れた建物などでは、火災が起きた時に、どっちの方向に避難すれば安全に屋外まで避難できるかわからないですよ。
そのような時、緑色の看板として光っている誘導灯が示す方向へ避難すればよいわけです。
大きな建物の場合、1つの誘導灯だけで屋外まで避難できるものでもありません。
誘導灯というのは、ドアの上部にぶら下がっていることが一般的です。
誘導灯のぶら下がっているドアをくぐってみてください。
すると、次に避難すべき方向を示した誘導灯が目に付くはずです。
つまり、誘導灯を目印に、誘導灯の方向へ避難し続ければ、いずれ屋外まで避難できるように設計されています。
そんなこと知らなくても、何回か行ったことある場所なら自分で避難できるよ!
こんな声が聞こえてきそうですね。
実は、火災が起きると、あなたが知っている建物が、知らない建物に変わることがあります。
いつもあるはずの通路がなくなってしまうのです。
どういう意味でしょうか?
その理由をこれから説明します。
火事が起きたら建物に起こる変化
火災が起きることで建物に起こる変化のきっかけは、自動火災報知設備です。
自動火災報知設備というのは、建物の中で、どこで火災が起きても、火災が起きたことを教えてくれるという守り神のような存在です。
壁が急にあらわれる
この守り神、警報音を鳴らしたり、落ち着いた避難を促す放送を始めたりしてくれる優れものです。
しかし、それだけではありません。
火災が延焼しないように、煙が避難経路に侵入しないように、防火扉や防火シャッターを閉めてくれます。
火災が起きて、避難しようとただでさえ焦っているのに、いつも通れるはずの場所が通れなくなっていたらパニックになりそうですね。
でも安心してください、そのような場合も、周囲を見渡せば必ず見える位置に緑色に光る誘導灯があります。
落ち着いて、誘導灯の方向へ避難してください。
建物の変化以外にも、日常との違いがたくさん現れます。
パニックにならないように、イメージしてみてください。
暗くなる
火災により電気設備が被害を受けると、建物の照明が消えます。
しかし、建築基準法により、非常照明設備が義務として設置されているので、真っ暗になることはありません。
薄暗いながらも、避難するために必要な明かりは確保されています。
煙による視界不良
火災発生地点(火点)に近いと、煙により視界を妨げられます。
煙は空気より軽いため、天井から溜まっていきます。
視界が見えにくい場合は、腰を曲げるなど視線を低くして避難してください。
臭い
火点に近いと、焦げ臭いにおいがすることも、日常とは違ってきます。
ものが燃えて発生するガスには有毒なガスも含まれています。
ハンカチなどで口や鼻を覆うことで、できるだけ人体に害のある物質を取り込まないようにしましょう。
また、意識を奪う一酸化炭素中毒になる可能性もあります。
避難時は腰を低くしましょう。
熱や熱風
火点に近いと、いつもは感じないはずの熱や熱風を感じることがあります。
極度の暑さは恐怖心をかりたてて平常心を奪うかもしれません、落ち着いて誘導灯まで避難してください。
警報音
先ほども言いましたが、建物の守り神である自動火災報知設備が建物中に警報音や非常放送を鳴らしてくれます。
平常時には聞いたことのない警報音やが大音量で流れていますが、慌てないようにしましょう。
避難者の悲鳴
日常生活を送っていれば、なかなか人間の怒号や罵声、悲鳴を聞く場面に出くわすことはありません。
しかし、人出の多い量販店などで火災が発生すると、避難口に避難者が殺到することで大きな声を出す人があらわれます。
聞きなれない声を聞いても動揺しないようにしましょう。
避難経路を把握することで死なずに済むかもしれません
ホテルや旅館に宿泊すると、アメニティーや置き菓子の横などに、冊子やファイルが置いてあります。
観光情報や内線電話の使い方、Wi-Fiのパスワードなど、宿泊に必要な情報が記載されています。
実はあの中に、避難通路を示した避難経路図があることを知っていますか?
火災時の逃げ遅れにより亡くなった人というのは、就寝中であったことが高い割合を占めます。
当然ですよね、起きていれば火災に気づいて逃げることができます。
話しがそれますが、住宅用火災警報器を設置していなかった家庭でも、逃げ遅れにより死亡率が高まります。
寝ているため、火災に気づかぬまま一酸化炭素中毒になり、身動きできないまま焼き死ぬからです。
ホテルや旅館の場合、必ず自動火災報知設備が設置されているため、火災に気づかず寝たまま死ぬということはありません。
ホテルや旅館火災で死ぬ場合は、起きたものの、避難できずに死にます。
避難経路がわからず、誘導灯の意味も知らず、逃げ場がわからずトイレなどに隠れてしまい、死にます。
これを防ぐにはどうしたらよいか。
やはり避難経路を事前に把握しとくべきです。
避難しようと廊下に飛び出た時、防火扉の自動閉鎖や防火シャッターの降下などで、部屋を訪れた時とまったくの別世界になっていることもあります。
寝ているときに火災が発生しても、落ち着いて避難ができるように、避難経路図を必ず確認してください。
【知らないと死ぬかも?】消防士に教わる誘導灯の役割のまとめ
誘導灯の役割について説明しました。
まとめると次のとおり。
よく目にはする誘導灯ですが、その役目をしっかり覚えておいてください。
自分の命を守るのは、自分です。
今後も、新しい情報が入り次第、レポートを更新していきます。
この記事を読まれた方で、さらに詳しく知りたいことがあれば追跡調査しますので、コメントか問い合わせフォーム、またはTwitterにてご質問ください。
また、消防関係者の方で、うちの本部ではこうなってるよ、それは違うんじゃない?などのご意見をいただける際も、コメントか問い合わせフォーム、またはTwitterにてご連絡いただけると助かります。
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