こんにちは、TEAM WEBRIDです。
みなさんは、MVFって聞いたことがありますか?
実はこれ、消防車の名前なんです。
聞いたことない人がほとんどだと思います。
どんな消防車なのか、詳しく説明します。
今回も現役消防士や消防職員OBへの取材をもとにレポートします。
この記事を読むことで、消防車であるMVFのことが理解できます。
MVFっていう種類の消防車を一言で言うと?
MVFを一言で説明すると次のとおり。
ブーム付き多目的消防ポンプ自動車
ブームとは、先端に作業足場のついたクレーンのようなものです。
一般の消防ポンプ自動車には、もちろんこのブームは装備していません。
百聞は一見に如かず、写真を見てみましょう。
このブームは13mの長さがあります。
他にも21mの長さのブームを備えたタイプもあります。
また、“多目的”というだけあって、一般の消防ポンプ自動車にはない機能があります。
一般の消防ポンプ自動車は、ポンプ機能があるだけ。
放水に使用する水を積んでいません。
このポンプ機能を活用して、消火栓や用水などから水を吸い上げ、直接放水したり、火災現場の近くにいるタンク車へ送水したりといった現場活動を行います。
しかし、MVFにあっては、900リットルの水を積載しています。
つまり、消火栓から水を吸い上げなくても、MVF単独で放水が可能となっています。
タンク車と同様の機能ですね。
一般的なタンク車は2,000リットルの水を積載しています。
一般の消防ポンプ自動車の現場活動に加え、MVFはブームを活かした高所救助等の活動も行える車両となっています。
さらにはタンク車同様に水も積載しています。
つまり、消火栓から水を吸い上げなくても、MVF単独で放水が可能となっています。
MVFって何の略語なの?
MVFはMORITA VARIOUS FIGHTERの頭文字をとった略語です。
モリタというのは、株式会社モリタの社名に由来しています。
なお、2014年のGOOD DESIGN AWARDを受賞しています。
MVFの特徴を教えて
MVFがどんな車両なのか雰囲気がわかったところで、次は特徴についてさらに詳しく見ていきましょう。
まずはブーム。
上方向には、ビル5階相当にあたる13.7メートルの高さまで届く仕様です。
また、下方向、つまり低い位置へのアプローチも可能となっており、マイナス2.1メートルの
高さまで稼働します。
次に積載している水。
一般の消防ポンプ自動車は水を積載していません。
しかし、MVFにあっては900Lの水を積載しています。
さらには、水の消費量を抑えることのできるCAFS(圧縮空気泡)も装備しています。
アウトリガーにも特徴があります。
アウトリガーとは、梯子車やクレーン車などの作業時重心が高くなる車両が、作業時の転倒を防ぐために車体の両側に伸ばす支えのことです。
なんと、このMVF、高所作業を行うにもかかわらずアウトリガーの張り出しがありません。
「だからどうした、危ないならアウトリガー出せばいいじゃん。」
こんな声が聞こえます。
しかし、それは間違い、アウトリガーの張り出しがないことには大きなメリットが。
アウトリガーの張り出しが必要ないということは、狭い道路でも高所活動を行うことができます。
一般的なアウトリガーは左右合わせて2~3メートルの張り出しを必要とします。
つまり車両が進入できても梯子を伸ばすことができないということです。
このメリットはとても大きい。
MVFの主要諸元を解説
シャシ | 7t級ダブルキャブ型 |
エンジン | ディーゼルエンジン |
総排気量・最高出力 | 5,123cc |
乗車定員 | 6名 |
長さ×幅×高さ | 750cm×233cm×310cm |
車両重量 | 13,000kg |
規格地上高 | 13.7m |
作業半径 | 8.4m |
赤色の消防車が出動!MVFって消防車の種類を知っていますか?のまとめ
今回の記事では、MVFについてレポートしました。
まとめると次のとおり。
1台ではしご車・タンク車・ポンプ車など複数の能力を発揮するまさしく”多目的”な消防車です。
大きな消防本部は、それぞれの役割専用の車両を確保する財源があります。
しかし、地方の小規模な消防本部では、多くの種類の消防車両を確保する財源的な余裕がありません。
そのような場合、1台で複数の消防車両の機能を持つMVF、非常に有効な車両ではないでしょうか。
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