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消防士が職務外の捜査!?で停職3カ月【習志野市消防本部】

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こんにちは、TEAM WEBRIDです。
今回は、珍しい事案の紹介です。
色々と興味深い内容となっています。

内容はタイトルにあるとおり次のようなもの。

  • いたずらの通報が頻繁
  • 虚偽通報現場でのヒントを手掛かりに消防士が捜査
  • 職務外の捜査として停職3カ月
  • 捜査後に虚偽通報止まる

今回の記事も、現役消防士や消防職員OBへの取材をもとに説明します。
この記事を読むことで、今回の事案の本質が詳しく理解できます。

それでは、レポートします。

警察でもない消防士がなぜプライベートで捜査をしたのか事案の大まかな流れを確認しよう

令和4年6月30日(木)のプレスリリースです。
その内容がこちら。

いたずら目的とみられる119番通報をした人物を特定するため、勝手に防犯カメラ映像を部下に撮影させ第三者に見せたとして、習志野市消防本部は令和4年6月29日(水)、警防課の男性消防司令補(47)を停職3カ月にしました。

習志野市消防本部によると、防犯カメラがある付近は「火事が起きた」との虚偽内容の119番通報が相次ぎ、消防司令補は

「いたずらを食い止めたかった。間違ったことはしていない」

と説明しています。
しかし、習志野市消防本部は

「警察に任せるべきだった。職務で知った情報を他人に漏らしており、地方公務員法の守秘義務にも違反する」

として処分しました。

地方公務員法の守秘義務はこちら。

秘密を守る義務

職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。 その職を退いた後もまた、同様とする。

(地方公務員法第34条)

この消防司令補は中央消防署勤務だった令和4年2月14日、119番通報で市内の店に出動した際、店の防犯カメラ映像から、いたずら通報をした疑いがある人物を推定しました。
そして、その防犯カメラの映像を、20代部下の個人用スマートフォンで撮影させました。
服装などの特徴から、いたずら通報をした疑いのある人物の関係先に出向き

「この人を知っているか」

などと映像を見せて確認しました。

この行動は、消防司令補が提出した詳細な出動報告書で判明します。
消防司令補は警察にも事後報告していた。
いたずら通報は令和4年の1月~2月にかけて6件ありましたが、消防司令補の行動後は止まったということです。

習志野市消防本部の広瀬義嗣消防長はこの処分について、

「再発防止に向けて全ての職員が法令順守を徹底するよう取り組む」

とのコメントを出しました。

普通に聞いたら、いたずら通報もなくなり、消防司令補はよくやったと思われる事案です。
しかし、感情だけで判断できないのが公務員の仕事です。
なぜなら、公務員の仕事はすべて法律で定められているから。

では、どのような問題があったのかさらに深堀してみましょう。

消防司令補の処分についてさらに深堀りしてみると納得の内容が見えてくる

「違法行為は1つではなく、処分の内容は妥当だと考えている」

「第3者に防犯カメラの映像を見せるといった守秘義務違反のほか、カメラの映像を見て『捜査』の行動を取った個人情報保護条例違反や、私用のスマホを業務に使う市のセキュリティポリシーの内規違反もありました。これらを総括して、職務上の命令ではない規定外の行為をした地方公務員法第32条違反として処分しました」

これらの内容は、習志野市消防本部、消防総務課のコメントです。
なお、地方公務員法第32条の内容はこれ。

法令等及び上司の職務上の命令に従う義務(第32条)

職員は、その職務を遂行するに当って、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、かつ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。

(地方公務員法第32条)

消防士である以上は守らなければならないルールについては、消防士ドットコム内のこちらの記事で詳しく説明しています。

消防司令補は、自らの行為が違反になることに少し気づいていたそうです。
しかし、そのことへの反省の弁はなかったそう。
習志野市は、処分を伝える際に、異議申し立てができると説明したが、消防司令補が申し立てに動いているかは把握していないとしました。

異議申し立て(審査請求・不服申し立て)については、こちらの記事で詳しく説明しています。

実は、この消防司令補は、職員へのパワハラ行為があったとして、令和4年4月12日にも、市から10分の1の減給2か月の懲戒処分を受けています。
令和3年12月に、他部署の職員が自分の部下を注意したことが気に食わず、

「生意気なんだよ。やるのか来いよ。表に出ろ」

などと声を荒らげたそうです。
その時の詳細がこちら。

令和4年4月13日のプレスリリースです。
部下に威圧的な暴言を浴びせるパワーハラスメント行為があったとして、習志野市消防本部は令和4年4月12日、警防課の男性消防司令補(47)を減給10分の1(2カ月)の懲戒処分にしました。
消防司令補は、中央消防署の消防司令補だった令和3年12月の勤務中に職場で、他部署の30代男性消防職員に激高し「生意気なんだよ。やるのか来いよ。表に出ろ」などと声を荒らげています。
パワハラ被害の申し出があり、習志野市消防本部が調査した結果、業務上の適正範囲を逸脱し、精神的な苦痛を与えたと判断しました。
消防司令補は、この30代職員が消防司令補の直接の部下を注意したことが「気にくわなかった」と説明しました。
同本部の広瀬義嗣消防長は
「再発防止へ良好な職場環境づくり、ハラスメント防止の取り組みを強化する」
とのコメントを出しています。

習志野市消防本部の消防総務課は、このパワハラ行為も今回の処分に影響があったかについて、

「ゼロではない。」

としたものの、今回の行為がパワハラ処分前であったことも考慮したとしています。
これまでの消防司令補の勤務態度については、普通だったとし、これら2件以外の処分はないと説明しています。

ネット上で消防司令補を擁護する声が多いことについて、消防総務課では、認識しているそうです。
電話やメールでも、消防司令補を擁護する意見が一部で寄せられていると明かしています。
消防総務課では、処分が重いことは認めたものの、

「懲戒処分の指針に照らし合わせ、審査して決めました。違法行為が1つではないことが加味されており、処分の内容は妥当だったと考えています」

と述べています。

この件について、警察の見解も出ています。
いたずらの119番通報をした人物について、千葉県警の習志野警察署は令和4年7月1日、

「通報が相次いだ当時は捜査していたとしたものの、火災が起きた事実はなく、公衆電話上の指紋など証拠につながる情報がなかったため、現在は捜査をしていない。」

と取材に答えています。

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