5つも事業効果があるのに「#7119」の全国展開が進まない!

救急業務

こんにちは、TEAM WEBRIDです。
『#7119』って知っていますか?

急な怪我や病気をした時の、電話相談窓口です。
詳しくは、消防士ドットコム内のこちらの記事で紹介しています。

今回は、#7119の現在の状況や、事業効果について説明します。
今回の記事も、現役消防士や消防職員OBへの取材をもとに説明します。

この記事を読むことで、#7119のメリットが理解できます。
それでは、レポートします。

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#7119の現在の状況やいかに

現在、全国では18の地域で実施されています。
人口カバー率は47%、5,928万人です。
実施地域は、県内全域で実施している12地域と県内一部で実施している6地域に分かれます。
実施エリアは次のとおり。

県内全域で#7119を利用
  • 宮城県
  • 茨城県
  • 埼玉県
  • 東京都
  • 新潟県
  • 京都府
  • 大阪府
  • 奈良県
  • 鳥取県
  • 山口県
  • 徳島県
  • 福岡県
県内の一部で#7119を利用
  • 札幌市
  • 岐阜市
  • 横浜市
  • 神戸市
  • 田辺市
  • 広島市

#7119がカバーしているエリアは、規模を基準にしてみてみると、最小だと約9万人の田辺市で、最大は約1,402万人の東京都となっています。

開始時期もバラバラで、最も早く開始されたのは平成19年の東京都、その後令和3年までにかけて18の地域が#7119の利用を開始しています。
最も最近で令和3年に#7119を開始したのは岐阜市です。

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#7119の事業効果①救急車の適正利用

1つ目の事業効果、救急車の適正利用についての効果は次のとおりです。

  • 潜在的な重症者を発見・救護
  • 軽症者の割合の減少効果
  • 不搬送件数の削減効果
  • 不急の救急出動の抑制効果

効果を示す具体的な事例や効果を紹介します。

東京消防庁では、#7119へ相談の結果、救急搬送となり、緊急入院した都民が74,189人いました。
また、緊急度が高いため、相談前に救急出動させた件数も10,310件もありました。
それだけでなく、#7119から救急搬送が必要と判断され、早急な救急要請ができたことで重症化が防がれた奏功事例も発生しています。

逆に、軽症者の搬送は、減少しています。
#7119の導入により、救急搬送後の初診時の傷病程度が「軽症」であった割合が減少しました。
東京消防庁の場合、平成18年では、60.3%もの「軽症」割合が、#7119導入後の令和元年には54.2%まで下がりました。
ド応用に、119番通報により救急出場したものの、緊急性がなく不搬送になる割合も減少しています。

救急の出動件数全体でみても、減少効果が見られます。
平成18年から平成30年にかけて救急件数の増加率が、全国では26.1%の増加なものの、東京では19.1%の増加となっています。

効果は東京だけではありません。
管轄面積が広い地域では、1件の救急出動から帰署までに相当な時間を要します。
その間、救急車が1台出動できないということになります。
つまり、無駄な出動を防ぐことで、より緊急性の高い事案に効果的に出動することができます。
このような効果も、#7119による効果となっています。

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#7119の事業効果②救急医療機関の受診の適正化

2つ目の効果は、救急医療機関の受診の適正化が挙げられます。

具体的な効果としては、医療機関における時間外受付患者数の減少効果があります。
数字で表すと、#7119導入後、時間外受付者が8.1パーセント減少しました。
これは札幌市のとある病院の出来事です。

また、医療機関における救急医療相談数の抑制効果があります。
数字で表すと、#7119導入後、病院への相談件数が約24%減少しました。
これは、神戸市のとある病院の出来事です。

次に医療費の適正化効果が挙げられます。

#7119相談の結果、時間外受診をせずに済んだということで、診療報酬の時間外割増の発生を防いでくれます。
それだけでなく、もちろん受診しなかったということで、受診した場合に生じていた医療費が削減できています。

#7119の事業効果③住民への安心安全の提供

3つ目の効果は、住民への安心安全の提供に役立っています
利用者の満足度で言うと、#7119の実施エリアで実施した利用者アンケートによると、約9割の利用者が「役に立った」「大変役に立った」と回答し「今後も利用しようと思う」と回答しています。

医療機関が休診時の、相談役的な役割も果たしています。
その証拠に、医療機関が休診の時は#7119の入電は多くなります。
曜日で言うと日曜日、次いで土曜日に多い傾向があります。

#7119の事業効果④時代の変化への的確な対応

4つ目の効果は、時代の変化への的確な対応です。
#7119の普及は、人生100年時代に向けたリスクの高い高齢者の増加への対応や、地方の深刻な過疎化の対策が含まれています。
また、地方は、地域の救急搬送・救急医療の担い手が不足しています、この問題にも#7119の利用促進は効果が見込まれています。

#7119の事業効果⑤新型コロナウイルス感染症対策

新型コロナウイルス感染症対策が5つ目の効果です。
感染のリスクとなる不必要な外来受診や、外出の抑制による重症化防止が見込まれます。
新たな感染症への対応なども含めて相談窓口となっています。

5つも事業効果があるのに「#7119」の全国展開が進まない!のまとめ

#7119の事業効果について説明しました。
まとめると、次のとおり。

#7119の事業効果
  • 救急車の適正利用
  • 救急医療機関の受診の適正化
  • 住民への安心安全の提供
  • 時代の変化への的確な対応
  • 新型コロナウイルス感染症対策

メリットばかりですね、利用促進を望みます。

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